全編一人称視点でガンガン敵を殺しまくるノンストップ・アクション!!
最初から最後まで抱腹絶倒の面白さ。爆笑でした。ありがとうイリヤ監督。
個人的評価:★★★★★★★★★★ 100点
HardcoreHenry
2017年04月01日公開/96分/ロシア・アメリカ/映倫:R15+
原題:HARDCORE HENRY
監督・脚本:イリヤ・ナイシュラー
出演:シャールト・コプリー、ダニーラ・コズロフスキー、ヘイリー・ベネット、ティム・ロス

<あらすじ>
ある日、死んだはずの主人公・ヘンリーは目を覚ます。目の前には妻だと名乗る一人の美女・エステル。科学者である彼女の手によって改造手術を施され、彼はサイボーグとして蘇ったのだ。だが左手足は欠損しており、声帯も壊れて会話もできない。あるのは断片的な記憶のみ。手足を複製し、それから声帯を治してもらうため手術を受けようとするのだが……そんなところへタイミング悪くエイカンからの襲撃を受けてしまう。サイコな超能力者であるエイカンの目的はエステルの研究を利用して軍隊を作ること。すぐさま二人は脱出ポッドに乗り込み地上へ逃れるものの、ヘンリーはあっさりボコられ悪の組織に妻を誘拐されてしまうのだった…。

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先月のカナザワ映画祭にて観てきました。
いやー、もう大好きですね。超サイコー!!!!
とにかく人間がおもしろおかしく死にまくる!っていうか、ほとんどそれだけと言ってもいいぐらいの映画でした!!本当にほぼ全編バタバタと人が死んで死んで死にまくって、計200人以上殺していたようです…。しかも一度に大勢ではなく(そういうシーンも一部ありますが)極力一人一人丁寧に殺していた印象です。『キングスマン』の教会での殺戮シーンが延々90分続くような素晴らしさ。もう最高。ミッドナイト・マッドネスで上映されて観客賞を受賞したというだけあって、予想通りぶっ飛んだ映画でした。ゴア描写も気合い入りまくりで超楽しかったですし、そういうのが好きな人にはたまらない内容だと思います。個人的には大好物なのでもう最初から最後まで多幸感でいっぱいで、めちゃめちゃ感動…っていうより爆笑してしまいました。
以下、ネタバレあります!

↓予告はこんな感じ


<ヘンリーの一日のスケジュール>
見知らぬ研究所で起床。左手足の修復。

エイカンに襲撃される。脱出ポッドで飛空艇から地上へダイブ!

悪の組織にボコられる。妻を拐われる。直後、ジェリーが仲間になる。

ひたすら追手から逃亡。車に乗車。途中、衣装チェンジ。バスに乗車。

服が燃える。ヤンキーの服をパクる。怒られて逃げる。

ビルの一室へ心臓を取りに行く。

銃撃戦。その後、ド派手な追いかけっこ。

ジェリーに呼び出されてストリップへ。

裸の女たちにオッパイ揉まされる。チンコ触られる。

カーチェイス。車内でエイカンと戦闘。敗北する…。

ジェリーの研究施設で打ち合わせ。

敵のアジトに乗り込む。

白服軍団と殺し合い。エイカン殺害。

飛行機に飛び乗る。勢いよくドアを閉める!

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・・・というようなあらすじ!

とりあえず、オープニングクレジットから好きでした。ここは暴力と人体破壊(殴打、銃殺、刺殺、爆殺)をスローモーションでゆっくりじっくり描いております。武器は、素手、銃、バット、ナイフ、ガラス瓶、手榴弾、煉瓦など。2分間ほどの長さなんですが、いきなり気持ちよかったですね。選曲も最高(「ガッカリさせんなよ…」みたいな歌詞)!

これは暴力の映画です、そして人が残酷に死にます。ということはこのオープニングからビンビン伝わってきました。映画全体で唯一ここだけは一人称視点ではありません。ほかはすべて主人公ヘンリーの視点、または記憶の映像だったと思います。目がそのままカメラになってるという感じで、画面は丸っきりFPS。皆言ってますが、ゲームをプレイしているようでした!

『HARDCORE HENRY』というタイトルロゴはバットに刻印されていました。何故バットなのかというと、ロシアでは銃よりもバットのほうが売れるため。それがロシア人の武器だから(?)。殴りやすいようにバットの長さは通常の三分の二程度なんだとか…。つまりロシア人にとってバットは野球をやるためにあるのではなく、人をブン殴るために存在するのだ!(よく知らんですが)

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ストーリーはシンプルです。拐われてしまった妻を取り戻すためにヘンリーが悪の軍団に戦いを挑んでいくというもの。その道中でほとんど絶え間なく敵の襲撃をこれでもかと喰らい続け、そのたびにヘンリーの超人的ウルトラ暴力が炸裂!そして容赦なく皆殺し!手加減が一切なくて痛快でした!

グロをまざまざと見せつけるようなシーンは、そんなに大量にはなかったはずです(笑)。基本的にぶっ殺したら即座に移動!みたいなスタイルなので。

そして、強烈に面白かったのがシャールト・コプリー(『第9地区』でエビになっちゃうアイツ)が演じる相棒のジェリーでした。彼はヘンリーをサポートしてくれる存在なのですが、途中まで、正直わけがわからない。彼はいきなり現れて、ヘンリーに重要な情報を与えてくれます。が、敵との攻防によって、いきなり死ぬ!それも何度も!何人も!!!!!

・・・え、どういうこと!?と疑問に思いつつも過激なアクションで話はガンガン進み、ジェリーは服装を変えて再登場、そんでアッサリ死んだりする…。姿形はどう見てもシャールト・コプリー。服装はビジネスマン、浮浪者、パンクロッカー、薬中…など様々で、しかし全員がジェリー。つまり同時に複数人存在するキャラクターなんですよね。SF好きな人ならたぶんすぐ気づくんだと思いますが、後半で明らかになるのは彼がクローンだということでした。

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ヘンリーが窮地に追いやられてヤバい状況に陥っているところ、仲間が現れた…と思ったら次の瞬間には死んでいる。そんなシーンの連続でした。

ジェリーの死の突発性がとにかくサイコーだと思いました。恐怖感はあんまりないですが、ビックリします。そんで笑っちゃいます。シャールト・コプリーはメインの俳優ですし序盤で死ぬことはまずありえないと思っていたところに突然の銃殺、マジかよ…と思っていると、そのすぐ後に浮浪者ファッションで登場するんだから、「え?え?え?え?」状態。かと思ったらソイツも残酷にファイヤー(ここ爆笑)!!シャールト・コプリー七変化がこの映画の見どころのひとつになっていると思います。キャラによって人格も演じ分けていて、強烈にぶっ飛んだヤツも何人か…。ボクのお気に入りコプリーは腹にタトゥーを入れたアイツです…。

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個人的にはこの映画、大爆笑映画だと思いました。決してコメディではないのですが、笑いの要素も多かったと思います。とくに目立っていたのは音楽ですね。序盤から音の止めがギャグになっていたりして、めちゃくちゃ笑えます。それから選曲のセンスが抜群で面白すぎました。中でもやっぱり終盤に繰り広げられる大殺戮シーンでのQueenですね。『Don't Stop Me Now』最高だッ!これには本気で大爆笑!もう素晴らしすぎて、おなか痛かったですよ…。


今は俺を止めてくれるな、こんなに楽しんでいるんだから

最高に楽しいよ

今は俺を止めてくれるな

君も楽しみたいのなら俺に連絡してくれよ

今は俺を止めてくれるな、こんなに楽しんでいるんだから

今は俺を止めてくれるな、そうさこんなに楽しんでいる

止められるのは絶対に嫌だよ


血みどろの殺戮シーンで大暴れしながら、この歌詞なので…さすがに笑う。
ストレートで潔い演出には好感しかありません。最高です。

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ほかにも爆笑シーンはたくさんありました。

まず、中盤の見せ場である風俗店。裸の美女の楽園です。ここも笑いを堪えきれない面白さ。というかただ好きなだけです。大好きなだけ。興奮するだけ。ヘンリーはここで裸の美女たちに胸を開かれ、電池交換してもらいます。その際に一瞬画面が暗転し、目が覚めるとなぜか女たちから軽めに愛撫されている(爆笑)。さらに「きもちよくしてあげる」という流れになって…。もう本当に最高です。ただ、エロい女がエロいことしてくれようとしたところにコプリーの邪魔が入っちゃうんですよねー。欲をいうとせっかくPOVなんだからヘンリーが本番に及んでくれていればなぁ…と思わないこともないですが、ここは本当に好き。暴力を少しの間休憩してエロにどっぷり浸かれる問答無用に喜ぶべきシーンでした。ちなみに、この現場でも人はいっぱい死にますが。

あと、これべつに意図してやってるわけではないと思いますが、ヘンリーって耳は聞こえるけど会話はできないんですよね。なので、相手への返答へが「首を振る」「頷く」という行為になってしまうわけなんです。そのため、カメラが上下にコクコク揺れたり、左右に振られたりするんですけど、ここのシーンは「AVで何回も見たことある光景」なんですよ。ってか、全編一人称視点ってアダルト方面ですでにやられてんじゃないのかな、なんかそんなようなの見た気がするぞ!…と超どうでもいいことなどを考えつつ、面白かったですねー。

それから、銃…銃…と思ってタンスの引き出し開けたらバイブレーション!だとか、女の乳を揉んだら妻の想い出が甦る!だとか、飼い主のちぎれた腕を引きずる小犬!だとか、おもしろヤンキーに絡まれる!だとか、ライターを借りパクされる!だとか、もう面白いことだらけ。クスクス笑っちゃう描写の釣瓶打ち。製作側も楽しんで作ってたんじゃないかな…と思いました。遊びみたいな小ネタも充実していたと思います。

ヘンリーが事故ったり地面に落ちたりするたびに傍にいた一般市民が「大丈夫ですか?」と寄ってくるのも、ちょっと面白かったです。イリヤ監督、きっと良い人なんだろうな…。

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で、文句なしの残酷表現!!ありがとう!!サイコー!!

ほとんどの敵はFPSらしく銃で殺されてしまうんですが、残酷!!って感じの面白い死に方もいっぱいありました。個人的には殺した後に胸をバッカァーッと開くところなんかウゲ~って感じだし笑っちゃいましたね。あと、心臓を取り出しちゃったり…。もうなんていうか、全編血まみれでしたよ。ですが陰惨な感じはしなかったです。ヘンリーが殺す相手は全員悪人だし、ほとんど正当防衛みたいなもんだし。通行人も死んでたっぽいですけど、死体は映っていなかったはず(たぶん)!暗いイメージはあんまりない映画でした。

最も見応えのあったシーンは、やっぱり屋上での白服軍団との大混戦ですね。なんだかんだ言ってここが一番盛り上がるしテンション上がります。もう楽しくて楽しくて…。パーティー感も異常。音楽も超アガる。死に方は多種多様でバリエーションに富んでたと思います。刺し殺したり、屋上から突き落としたり、電流で感電させたり、両腕へし折ったり、燃やしちゃったり、送風機に突っ込んだり、コンクリで擦り殺したり…ほとんど死にざま博覧会。そして敵はゾンビのようでした。何が最高って、ノンストップでガンガン殺していくスピード感ですよね。これがすごく気持ち良かったです。それから、建物内からの銃撃なんてまさにFPSですし、ちゃんと大爆発もあり、思いついたことは全部やっちゃっていたような印象です。

アドレナリンの使い方もマンガみたいで最高!!!!

ラスボスであるエイカンとの死闘はかっこよかったし、大迫力でした。
念動力描写は『AKIRA』で『クロニクル』って感じ!
そんで、ここの殺害が凄まじい!
いやー、もう、ウルトラバイオレンス!!!!
死に方おもしろすぎ!!!!
顔チョンパ(?)なんでしょうか、名称わかりませんが(笑)。
殺害に使う手段というか、道具が、めちゃくちゃ好きでしたね。一瞬どういう状況なのか理解するのにちょっと時間かかりましたが、アレを巻きつけてアレでアレするなんて……。とにかくすごい!そこまでに何度かスプリットスクリーンの境界が曖昧なやつみたいな画面が登場するんですが、これはつまりそのまま右目と左目の視界を映しているわけで、そのため、ラストのエイカン殺害描写は、説明難しいですが、うーん、目玉が飛び出ます…。とにかく、すごく面白かったですよ。ビックリしましたし。そして、なるほどなぁ、と。

下に貼ってある動画で殺害シーンは見れちゃうので、よかったらどうぞ。

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「ぎゃあああああああ、指、裂けた!」

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「あがががが・・・」

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Mr.オレンジことティム・ロスも出てましたよ!

最後に、観終わった人が全員感じることだと思うのが、「画面揺れすぎだよ!ガチャガチャしてんじゃねえ!」ってことですね。

…これは…うん…その通り。激揺れです。

正直、大画面爆音上映を最前席で観ていたら途中気分が悪くなる瞬間もあり、うーん……そこの批判はしょうがないのかなと思いました。が、優先すべきはこのスピード感&テンションMAXなノリだったんじゃないでしょうか!

【ファースト・パーソン・アクションムービー】ってジャンルとしては、一応世界初の作品だそうです。しかし米での評価は賛否両論、というかぶっ叩かれてる印象が強いですね。「クソゲーみたいな映画だ」とか言われてるし…。

けど、個人的にはそんなの関係なくめちゃくちゃ面白かったんで100点満点。もう大好きすぎて…。修羅場みたいなシーンで裸の女がぶっ飛んできたりと、男の欲望に正直な描写が多いのも好感度大でした。二丁拳銃!おっぱい!カーチェイス!念動力!目ん玉びよ~ん!とか、要素だけを書きだすと、なんだか中学生男子の夢みたいな内容で、にも関わらず映像は(賛否ありますが)超絶かっこよかった…。「ヘンリー、殺っちまえ!!」と叫びだしたくなるラストの大オチも気分爽快。なので、感想はこんな感じ。

邦題の『ハードコア』は、検索しづらい!としか…。


殺害シーンがすべて見れちゃうキルカウント動画


本作の元となったロシアのロックバンドのPV