暗い、地味、退屈。ダメでした。個人的な感想。
個人的評価:★★★★★★★☆☆☆☆ 60点
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2017年02月24日公開/128分/アメリカ/映倫:G
原題:LA LA LAND
監督:デミアン・チャゼル
出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、ローズマリー・デウィット、ソノヤ・ミズノ、J・K・シモンズ、フィン・ウィットロック、ジェシカ・ロース、キャリー・ヘルナンデス、トム・エヴェレット・スコット、ミーガン・フェイ、デイモン・ガプトン、ジェイソン・フュークス、ジョシュ・ペンス、トレヴァー・リサウアー

初日のレイトショーで観てきました。予想はしてましたがカップルが多くて、めちゃくちゃ混んでました…。始まるまでの待ち時間と観終わった直後が少しだけ辛かったです。まあ、それはどうでもいいことなんですが!

前評判がかなり高い作品だったと思います。なので、ちょっと期待しすぎたのかもしれません……。監督は『セッション』の人だし!主演ゴズリングだし!ヒロイン・エマだし!ってことで「絶対大好きなやつだろこれ~」って感じの浮かれたテンションで観に行っちゃったので、もしかしたらそのために余計にガッカリしちゃったのかも…。うーん、フツーの映画でした(笑)。

「あんまり好みじゃなかった!」ってことを好き勝手に書いてるだけですので解説とかはしてません(できません)。面白かった派の人は読まないで!

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あらすじ

夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。
(以上公式サイトより)

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感想

とにかく地味。控えめなミュージカルだなあっていうのが第一印象。もっとド派手にガンガン歌って踊り狂えばいいのに…って思っちゃいましたよ。どっちかというと豪華絢爛なミュージカルのほうが好みなので物足りなさを感じました。画も話も暗いし、全体的に(狙ってやってんだろうけど)古臭い。

最初と終わりはわりと良かったんです。けど中盤(1時間以上)が、もう退屈で、ハッキリ言ってつまらなかったです。ミュージカルシーンの分量が少なすぎたような気もします。けっこうセリフと画で語っちゃってるので、なんだか普通の恋愛娯楽映画にミュージカル要素をちょこっと加えただけにも思えました。「大嫌い!」とも思わないんですが、平凡でした。ラストは盛り上げてくれたけど、オチに行き着くまでのつまらなさでプラマイゼロという感じ。ストーリーはベタでもいいんです。けど、肝心のミュージカルシーンの画が凡庸でつまらないのはミュージカル映画としてどうなの?と思ったし、カメラワークもそこまで素晴らしいものとは思えませんでした。カットを切らずに長回しで撮るのはいいんだけど、撮り方に工夫がないというか、面白くない。正直ダルかったです。個人的には渋滞のハイウェイ(OP)がピーク…。

ミュージカル黄金期のヘイズコードでも意識してんのか!ってくらいに刺激的な要素が皆無だしインパクトのあるショック描写もほぼなし。恋に落ちて別れて偶然また出会って微笑み合ってさよならするだけのカップルの恋愛模様など見せられて面白いのか…いや、ストーリーにはそこまで文句もないんですが、やっぱ見せ方ですかね…。

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オープニングは大好きだったんですよ。曲もウキウキしちゃう感じだし、これから始まるぞ!夢追い人たちの国ラ・ラ・ランド(L.A.)に到着!って感じ。ここはめちゃくちゃテンション上がりました。気持ちの良い躍動感。

そこからプールにドボンして花火がドーンと打ちあがるくらいまでは、まあ、けっこう楽しかった。というか、先の展開が楽しみにもなりました。これからどうなるんだろうなーワクワク!みたいな感じで。が、それ以降が退屈で…。

古き良きアメリカ映画はこれだ!どうだ!って感じで見せつけられて「素晴らしいだろ??」と言われても(言ってはいないけど)、個人的にミュージカル映画にあまり明るくないためか、まったくノレませんでした。

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基本的には正統派な恋愛ミュージカル映画。タイトルからも分かるように舞台はロサンゼルス・ハリウッド。セブとミアが夢を叶えて別れるまでの話です。ストーリーは超ベタというか、古典的なものだと思います。

初対面がサイアクだった男女が、その年のクリスマスにバーでバッタリ再会。セブのピアノを聴いたミアは恋に落ちる(?)、だが店をクビにされたセブのほうはミアを無視して出て行ってしまう。季節は冬から夏になり、パーティーにやってきたミアはバンド演奏をするセブとまたもや再会。ふとしたきっかけ(ウザいヒゲ男を逃れる口実)から二人は惹かれ合い付き合うことに。お互いに励まし合いながら夢を叶えるため努力に励むが、次第に気持ちはすれ違っていき、ついには破局。5年の時が経ち、偶然セブの店で再会するまでの物語。

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『ブギーナイツ』だああああ!!!!…………え!?

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過去の名作へのオマージュが多い作品です。監督がこういうのが好きで過去のミュージカル映画をぶちこんでるんだと思うんですが、個人的には……言い方悪いですが「だから何?」って感じでした。上の画像は『ムーランルージュ』らしいんですけど、そもそも元ネタのほうに対しての愛着がないからか「うおおおおお」と熱狂できるほどでもなかったです。『雨に唄えば』の有名シーンなんかもありました。冬→夏→冬→夏(5年後)の4部構成は『シェルブールの雨傘』を意識していたようです。他にもいろいろありましたが、なんというか懐古主義的な古臭さを強く感じてしまったし、「好きだー!」っていうのもあまり伝わってきませんでした。なんとなく過去の名作を利用しているだけで扱いが雑にも思えてしまって、たいしてリスペクトも感じませんでした…。

全編にオマージュ満載だったのは、主人公のセブが「ジャズを復活させたい」と思うのと同様にチャゼル監督もまた「古き良きアメリカのミュージカル映画を復活させたい」という想いがあったためかもしれません。つまり、今の時代のミュージカル映画は「死んでいる」と。

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前作『セッション』に続いて、今回の主人公であるセブもチャゼル監督の投影であるように思えました。まあ、ジャズ大好き野郎です。ジャズという音楽に対する価値観がハッキリしていて、ここも賛否ありそうな点だと思いますが、熱いジャズ魂をセリフでペラペラ喋らせちゃう。「ジャズは死にかけている、このままだとジャズが死んでしまう。だからオレはジャズクラブのオーナーになるんだ!」とか…。

で、監督の思う新しいものを何も生み出さない音楽ってのがちょっと笑っちゃう感じで…。こういうのが嫌いなんだよ!って想いをバンバン感じたし、悪意あるダサい撮り方にも思えました(セブが加入するジャズバンドのライブシーンなど)。でも同時に、古いジャズがそんなにすごいの…?という疑問も少し湧いてしまって、こんなセリフ言わせなくてもいいのに…とも思ってしまいました。『セッション』はそういうの言わせなかったから良かったのに!

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二度目の出会いのシーンでミアがリクエストするフロック・オブ・シーガルズの「I Ran」の使い方なんかもちょっと気になりました。単純に好きじゃない音楽ってだけの意味で、あの選曲はギャグなんでしょうか…。ここのシーンは解説があったら知りたいです。面白くはないけど、たぶん笑うべきシーン。

それと、このへんから「いったい今は西暦何年なんだ!」っていう疑問も湧いてきて、たぶんどうでもいいことなんだろうなあと思いつつも若干モヤモヤが止まりませんでした。スマホがあるし現代なんでしょうけど。

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エマ・ストーンは大好きですが、正直ヒロインが魅力的とは思えなかったのも残念です。というか、けっこう嫌いなキャラクターでした。

まず、第一印象からあんまりイイ気分にはならないですよ。まあ、そこは意図してやってることなのかと思うんですが、けっこう最後まであんまりイメージが変わらなかったというか…なんかちょっと普通に運のいい女。好きなタイプではないご都合主義を感じてしまいました。

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歌って踊っても空にプカプカ浮いちゃっても、そこはミュージカル映画だから当然のこととして受け入れますが、壇上に上がって上映中のスクリーンの前に立つシーンはちょっと「えええ…」となったし、あり得ねえなって感じです。ロマンチックにどっぷり浸って周りが見えない故の行動なんですかねー。昔の映画ヒロインはこういう突飛な行動を取ったりしたのかな…?とかも思ったりしましたが……………やっぱり大嫌いでいいや。クソ女です。

こういう迷惑な客にはポップコーンを投げつけてやるべきだし、フレッチャー先生はカウント4でビンタを喰らわすべき!というか、このブン殴りたくなる迷惑行為を「ロマンチックだろ~?」と思ってそうな監督の恋愛観がちょっとムリかも…。後半で舞台上に立つ彼女への暗示の意味もあったんでしょうか。

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「下唇噛んで、そうそう、いいねー」(笑いどころなのか…!?)

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そして、クライマックス。

ここが盛り上がりに欠けるのが致命的。盛り上がるには盛り上がるのだけど、想定範囲内の盛り上がりというか…あまり過剰さを感じませんでした。過去のオマージュを盛り込みつつ、ミアが思い描いた理想の二人をカラフルで楽しげに描いています。ミュージカルの快楽がここに凝縮され…ってほどでもなく、わりとオーソドックスなミュージカルシーンに思えました。正直、ここでやりたいこと全部やりきるくらいの熱量を感じたかった。感動も驚きもなし。

「もしも〇〇だったら」ですよねー。映し出されるのは二人が初めて出会ってから夢を叶えて家庭を持ちジャズを聴きにやってくるまでの出来事。すべてがミアの空想。

出合った瞬間、二人は恋に落ちる(JKシモンズも祝福してくれる)。そして付き合い始める二人。ミアの舞台は大成功するし、観客席には嬉しそうに拍手するセブの姿。映画のオーディションには無事合格し、パリでの映画撮影…。その後、二人には赤ちゃんができて結婚し幸せな家庭を築きましたとさ。

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しかし現実は、そうはならない。

思い描いた理想通りにはいかないのが人生で、お互いの夢に向かって努力した結果、目標としていた夢(職種)は叶ったものの、そのためには何かを犠牲にしなければ……って、いや分かるけど、分かるけどさ、普通にハッピーエンドでよかったんじゃないの??って思っちゃいましたよ。むしろ「こうなったら最悪だなー」ってほうに行っちゃった感じです。しかもそれを美談っぽく描いているのが、うーん、個人的には微妙でした。『ブルーバレンタイン』の地獄絵図なんかも思い出しましたね(アレもあんまり得意じゃない)。

現実はそうなのかもしれないけど、なんとなく気が滅入るような終わり方…。夢を見せるのが映画なら最後まで夢見せてくれよ!って感じです。『ハッピーボイス・キラー』みたいな終わり方でよかったんじゃないの(笑)。「夢を見ていた」ってキャッチコピーも、まあその通りなんですが、どうせ夢見るならもっとエロくて豪華絢爛なヤバいやつが見たかった、ビターでロマンチックなやつじゃなくて。完全に個人的な願望ですが!

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駄作などとはまったく思いませんが、陳腐なストーリーでバジェット小さめの佳作という印象です。劇中、古いジャズに固執している主人公に対して「過去にしがみつくな」と言うシーンがありましたが、結局は主人公が古いジャズに固執して話が終わるし、最後までそこへの反論的なものがなかった気がして、なんとなく懐古主義的なイメージのままでした。アカデミー賞最多6部門受賞ってのは納得です。アカデミー会員が好きそうな映画ですもん。

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『セッション』のクライマックスでも使っていた横にブンブンふり回すようなカメラワークが今回も中盤で登場しますが、わりと場繋ぎ的な印象でシーンに合ってるとも思えず、うーん…という感じだし、無言で見つめ合わせて微笑を浮かべて表情で語らせて頷かせるってのも、「またこれか!」感。もしかして毎作品でやる気なのかチャゼル監督…。次作も楽しみにしたいですが、今回は好きじゃない。不満点は話も画も暗くて地味だという点に尽きます。とにかくもっと踊れよ!ということで、面白くなかった。普通です。

そもそもメロドラマなんか嫌いなんですよねー(本音)。
次は血まみれっぽいやつ撮ってくれチャゼル!!

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『セッション』大好きな人たちはここで、事故れ!と思ったはず(?)


↑予告


セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray]

ファッキンテンポォ!!