SF作品の金字塔『攻殻機動隊』をハリウッドで実写映画化!
個人的評価:★★★★★☆☆☆☆☆ 50点
GHOST IN THE SHELL
2017年04月07日公開/120分/アメリカ/映倫:G
原題:GHOST IN THE SHELL
監督:ルパート・サンダーズ
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハン、ジュリエット・ビノシュ、ラザラス・ラトゥーリー、ダヌーシャ・サマル、泉原豊、タワンダ・マニーモ、ピーター・フェルディナンド、ピート・テオ、福島リラ、桃井かおり

観てきましたー(ゴーストが囁いたので)。

今回のハリウッド版を観る前に『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を久々に見返したんですが、ドハマりしたのが十年以上前なので…けっこう忘れてる部分も多かったです。正直、あんまり詳しくはないと思います(笑)。原作は一度読んだだけっていう程度…。解説はしてません。個人的な感想。

全体的に愚痴っぽいこと書いちゃったけど後半はウトウトしてて字幕を見逃したりもしたので、たぶんいろいろ間違ってると思います…。眠たかった。

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あらすじ

ネットに直接アクセスする電脳技術が発達すると共に、人々が自らの身体を義体化(=サイボーグ化)することを選ぶようになった近未来。脳以外は全て義体化された少佐率いるエリート捜査組織「公安9課」は、サイバー犯罪やテロ行為を取り締まるべく、日夜任務を遂行していた。そんな中、ハンカ・ロボティックス社の推し進めるサイバー技術の破壊をもくろんだテロ組織による事件を解決すべく、少佐は同僚のバトーらと共に捜査にあたるが、事件を調べていくにつれ、自分の記憶が何者かによって操作されていたことに気付く。やがて、真の自分の記憶を取り戻していく少佐は、自身の驚くべき過去と向き合うことになる。
(以上Wikipediaより)

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感想

映像はすげえ頑張ってたと思います。「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」を実写化することに全力を注いでいた印象。けどファンも初心者も楽しむことができる作りを目指した結果、よくある大味なハリウッド映画になっちゃって画は完全に攻殻機動隊なのに肝心のゴーストが宿っていない!って感じに…。単に模倣しただけのダイジェスト版みたいな。

「コレ見たことある!!」っていうシーンの連続で再現度がやたら高いので、そこは驚かされました。オリジナルに忠実なカットが何度も何度も…。『イノセンス』や『アヴァロン』などの小ネタも充実していたので押井守リスペクトの精神は感じました。見どころはビジュアル表現だけかも…。

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予告見て最初に思ったことは「スカジョが太い!ムチムチしすぎ!」ってことだったんですが、後半の展開で真実が明らかになっていって、最後はムリヤリ納得させられた感じです。草薙素子って言われるとすごい違和感があるけど、そもそもコイツって少佐だけどミラ・キリアンだし素子ではないんですよね(義体は)。なのに前半は素子のオマージュで再現再現再現…。なので、少し混乱させられました。「少佐」っていう役名(?)は良かったのかも。

演じてるスカーレット・ヨハンソンはもうちょい感情抑えてほしかったです。ずーっと眉間に皺寄せてムッとしてるので、そのへん少し気になりました。「私って何?」なストーリーだし、わかりやすいといえばわかりやすいけど、そこのわかりやすさはなくても伝わると思うし心理的な葛藤が表情にバンバン出ちゃうのはなんとなく違うような…。人間味がありすぎる。

あと、少佐の肉襦袢は分厚いし見た目面白すぎるし、肉々しすぎ。どうせなら普通に全裸で暴れ回ってくれたほうがもっと喜べたなー。ただの願望ですが。

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人体破壊が激しいシーンはちゃんとやってたと思います(義体だけど)。腕が引きちぎれるシーンなんかは見応えありました。できれば首が吹っ飛ぶところも再現してほしかった…とかいう「ないものねだり」的なことはいっぱいありますが、一応は見たいもん見せてもらえた感じです。香港(?)の街並みとか光学迷彩の表現は素直にスゴイと思ったし、けっこう好き。

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で、個人的に一番期待していたのはクゼだったんですが、いやー、盛り上がんなかった…。最大の敵みたいな扱いのわりにはアクションシーンでの見せ場がほぼないし、わざわざ登場させた必要性もそこまで感じなかったのでけっこう残念。物足りなさも感じました。地味だし、存在感もあまり感じず。

マイケル・ピット大好きなのでなんか悔しい気持ちになりましたよ…。少佐との関係性は、断定はできないし予想だけど「知ってた!」という感じ。もっと濁して表現しても良かったかもしれない、わかんないけど。

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ぶっちゃけ後半は眠たい内容でした。暗いし。中盤からは編集の雑さも感じたりなんかして、部分部分でシーンを切り張りしているようなガチャガチャした印象も受けました…。あと、薄っぺらくて説明的でクドい。「わかりやすい」ことが本作の売り!らしいんですが、うーん、そこも微妙だった。

オマージュ以外のアクションシーンはかなり凡庸だしハッキリ言って面白くなかったです。何か斬新な見せ場がひとつくらい欲しかった気もします…。スカジョは動きにキレがないしドタドタしてるし、面白かったのはたけしの銃殺くらいかも。既存のハリウッドアクション連発って感じで、あんまり良くない。

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たけしは何喋ってんだか分かりずらくてセリフも棒読みだし存在感ないし全然ダメだ!って思ってたんですが、終盤の銃撃戦で突然『アウトレイジ』の顔になるのが面白かったです。起用された意図も理解できたような気がします…。もう人殺す役だけ死ぬまで演じ続けてほしい。

TAKESHI IS YAKUZA!!って感じで笑った。

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現実が原作の世界観に近づいてきているため、90年代に比べると多少は伝わりやすくなってる内容だとは思うんですが、どうしても話の古臭さは感じてしまい、やっぱりちょっと今更感ありました。ずっと言われてた実写化がようやく実現したのは嬉しかったんだけど、「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」と同じことやったからといってそれがスゴイのかというと…どうなんでしょう。脚本の改変部分に対しても驚きがないし…。「過去に何をしたのかではなく、これから何をするのかだ!」みたいなメッセージは好きでしたけどねー。

物語のテーマは2ndの「草迷宮」が元ネタだったみたいです。

アイデンティティ云々がテーマだったらもうちょっとゴーストに対して切り込んでいってほしかった気もします。尺の都合でしょうがない部分もあると思うし、娯楽SFなので哲学的な小難しさが切り落とされてしまうのは理解もできるけど、そこが攻殻機動隊の核となる一番面白いところじゃないの?とも思うので、どうなんだろう…。派手な見せ場ももちろん必要だけど。

てか、もういっそのことストーリーもオリジナルのままでよかったんじゃないの?とすら思いました、最終的に。再現だらけの内容なんだし!

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予告を見た時点でけっこうガックリきてしまって、「一応観とくかー」程度の気持ちで鑑賞したためか「ふざけんな!」とはまったくならなかったし、想像していたよりは良かったです。もっとヒドイ映画なのかと思ってた(笑)。

個人的には、桃井かおりが登場するところが一番好きだったかも。なるほど…と納得したし、都合のよさも最高。あと、ロボゲイシャが意外と楽しかったです(ぶっ壊れ方とか)。いまだに芸者って人気あるんですかねー、海外では。

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福島リラが演じていたことは観終わってから知りました。


↑予告