イケてる元パパVS空回りしっぱなし義理パパ、勝つのはどっちのパパ!?
『アザーガイズ』のコンビが復活!なのに、なぜかDVDスルーだった本作。

個人的評価:★★★★★★★☆☆☆
Home
2015年12月25日公開(米)/96分/アメリカ/劇場未公開
原題:DADDY'S HOME
監督:ショーン・アンダース
出演:ウィル・フェレル/マーク・ウォールバーグ/リンダ・カーデリーニ

<あらすじ>
ラジオ局の重役として働くブラッド。彼はサラという女性と結婚し、彼女が連れていた二人の子供の継父となった。ブラッドは穏やかで優しい性格の持ち主だが、真面目すぎる性分が少し退屈だと子供たちに思われており、彼自身もそんな子供たちとの関係を改善したいと願っていた。 そんなある日、サラの元夫で子供たちの実の父親であるダスティが家へとやってくる。特殊部隊の隊員だというダスティは、ブラッドとは正反対のワイルドでセクシーな男性で、子供たちはすぐに彼へ懐いてしまうのだった。 ダスティに嫉妬したブラッドは、子供たちの支持を取り戻そうと躍起になるが、対するダスティもブラッドに勝つため様々な手を使ってくるのだった。こうして実父と継父の大人気ない戦いはいつしかどんどんエスカレートしていってしまう。
(以上ウィキペディアより)

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レッチリのチャド・スミスにしか見えない。

俺たちシリーズでおなじみウィル・フェレルの最新作です。
主演作が日本で冷遇されてるような気もしますが、大好きですよ。
今回のウィルはいつもの過剰なクレイジー野郎ではなく、善良なパパでした。(まあ、変なことしますけど)

監督は『なんちゃって家族』の脚本家・ショーン・アンダース!!(最高だ!)
下品な下ネタなどもあるにはありますが、だいぶ抑えてた印象です。
ファミリー向けムービーなので過激なオゲレツ系ギャグはなかったし、トラジコメディのようなエグさも避けてた気がします。
ちゃんと家族で楽しめる内容になっていると思いましたよ。
しかしアメリカのコメディなので、障害者にボールをぶつけてブッ倒したり、危険なスポーツで死にかけたり、生々しい交尾があったりと、基本的な笑いの要素は必要最低限しっかり描写!

※途中マーク・ウォールバーグのチンコ画像があるので注意!!

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あらすじにも書いてあるんですが、要は継父VS実父なんですよね。
子供たちに好かれたくてしょうがないパパ2人が奮闘するという話。
そしてこれが醜い争いというよりは、単にバカですよ!
大人げのない意地の張り合い。
「おれのほうがすごいだろ!」
「いや、おれのほうがすごいし!」
「くっそ~!!」

…というもの。
わりと終盤までこれのやり合いでした。
文句言ってるみたいですが、ここが面白いところです。

ウィルが義理の子供たちと仲良くなれずに悩んでいたある日、子供たちの実父から突然電話があり、家にやって来るということに。
ライバルである実父を演じるのは『テッド』のマーク・ウォールバーグ!
なので、もうホントに最高です。
真面目な顔して真剣なほど、妙にバカっぽくてすごくイイ!!
立ち振る舞いとか無駄にマッチョな肉体とか、居るだけで面白かったですよ。

Home7
マーク・ウォールバーグの巨根をみんなで眺めて絶句している上画像。

ウィル・フェレルが子供に愛情を求めるのには深刻な(?)理由があって、彼は不幸な事故から子供がつくれない体になってしまったのです。
つまり、タマナシ野郎なんですね。
この不幸な事故というのも本当にバカ(としか言いようがないもの)で…悲惨。
歯医者で事件は起こるのですが、歯科医もウィルも両方ともバカだよ!!
まあ、そんな不幸があり落ちこんでいた時に今の奥さんと出会い二人の連れ子のパパとなったウィルなのでした。

しかし子供にはパパだと認めてもらえない。むしろ、すこし嫌われている。
父親になることは誰にでもできるが、親父になることは難しい。
そのためには忍耐と真心が必要なのです。

冒頭で娘がウィルの似顔絵を描いてくれるのですが、これがまずヒドい。
パパの頭にはホームレスのウンコが乗せられており、目玉にはナイフが突き刺さっているという無邪気なもの…。子供は残酷だ!
ウィル・フェレルが完全にイイ人なだけにちょっと不憫でした。そのため最初から「ウィルがんばれ!」という気持ちになりましたー。

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オチなんですが、ここの部分だけは予定調和なのでアッサリ書きます。
ちゃんと検査してみたらウィル・フェレルのキンタマは子供が作れるものだったということが中盤で判明。(冒頭の解説はウィルの思い込みだったんですね)
そしてセックスに励んだ結果、ちゃんと赤ちゃんできました!という結末。

ウィルが検査をするため病院へ行くシーンが個人的には一番好きでした!
子供ができないタマナシのウィルに対して、マークのほうは絶倫の巨根男
しかも彼が紹介してくれた世界的名医は下品でおかしなクソ野郎。
「マークのキンタマはすごいからみんな見てみろ!」という流れになり、みんなでそれを見て驚いていたりして…すごくバカでサイコー!

巨根という設定は絶対『ブギーナイツ』を意識していたと思います。マーク・ウォールバーグといえばどうしてもこれが思い浮かぶので説得力抜群でした。

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伝説となった『ブギーナイツ』のラストがこれだ!(30センチのデカマラ)

その後、精液を取るためにウィルは個室に入り自慰行為をすることに。
ズボンを下ろし下半身丸出しの状態で行為を始めようとするのですが、傍の窓にかかったブラインドが開いているのが気になってしまい、少し手で触れてみるとブラインドごとバサッと落っこちてしまいます。
そして、窓を隔てた隣の部屋ではなぜかパーティーが行われており、下半身を知らない人たちに見られてしまうという恥ずかしい事態に!
けっこうキツい恥辱なのですが、何事もなかったようにカットが切れるところなどすごく良かったです。演出のテンポが良いので退屈なんかはまったくなし。
下ネタもけっこうあったんですが、肝心のモノは直接映さないのでギリギリセーフな感じもしました。それに、もし主演がベン・スティラーだったらそういう部分も隠さず全部見せていたはず!(だからそれよりはちょっとマシ!)

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子供たちに好かれるためのパパ2人なんですが、どのサプライズもけっこう好きでしたよ。シンプルな脚本も面白かったです。
幼い子供なので、とりあえず欲しがってるものを与えれば喜ぶんですね!

マークからの最初のプレゼントがこの汚らしい犬
ほとんどゴミみたいな風貌なんですが、こんなのでも子供たちは大喜び!
両目は白く濁っているし、今にも死にそうな老犬にしか見えません。
さらにマークが言うには、ドブに落ちてたのを拾ってきたそうです。
犬なら何でもイイ!とにかく欲しい!という心情の子供たちとしては大喜びする出来事であり、「パパ(実父)大好き!」な状態に…。子供って単純!
これが悔しかったウィルは後々になってポニー(小さめの馬)をプレゼント!

動物をヒドい目に遭わせるネタはアメリカのコメディ映画ではほとんど鉄板なのか、毎回のように登場しますねー。だいたい障害を持っているか、変な死に方をして爆笑というパターン。不謹慎ではありますが笑えます。

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ゴツい体でゴツいバイクに跨るマーク・ウォールバーグは、ほとんどゴリラ。
そんな強そうなパパが子供たち的には超クール!
なので、ワイルドなパパ対決ではマークが圧勝でした。

妻に邪魔なバイクを移動させるように頼まれたウィルは「チャンスだ!」と思い大奮闘。バイクに乗ってカッコイイところを見せようとしたのですが、変に気合いが空回った結果、家の壁を破壊した上に愛車までぶっ壊してしまうハメに!
そして、なぜかバイクは無傷!!都合良いんですが、超楽しいシーンでしたよ。
スピード感があって面白い。しかも子供たちを轢き殺しそうになる最低なパパ。

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次は、スケボー対決です。
庭に立派な小屋とデカいハーフパイプを勝手に建設するマーク。
まあ、頭がどうかしてますが…子供たちは大喜び。
スポーツ万能なマークはスケボーのテクニックもプロ並み!

ウィルはここでも「今度こそいいところを見せてやる!」とマークに対抗。
古いスケボーを引っ張り出してきて屋根の上から滑ることに。(バカ!)
しかし、案の定大失敗。
高く舞い上がったウィルは頭上に張られていた電線に直撃!
そして、一旦死亡………(!)。
マークの適切な処置によって何とか一命を取り留めます。
当然子供たちは義父に失望しますよね…。

何をやってもうまくいかずマークに惨敗続きのウィル。
後半に入ってからは今までの負け分をどうにか金の力で盛り返します。
山ほどプレゼントをあげて、子供たちの愛情を金で買う最低っぷり。
しかし、こういうゲスいことをしてこそウィル・フェレルだ!

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そしてバスケット対決ですね。
ここはけっこう大惨事感があり、盛り上がります。
ウィルは値の張るチケットをダフ屋から購入。
そして家族でバスケットの試合観戦へ。
NBAファンの息子は大興奮。

しかし会場に到着すると、チームの関係者にマークの知り合いが偶然いたことで、さらに良い席で観戦できることになってしまいます。
家族はウィルを残して別席へ移動…。
高額なチケットを買ったことで妻にも怒られ、やけになったウィルはヤケ酒!
そんな時に運悪く(良く?)、シュートを決めたらディズニーワールド!の挑戦者に選ばれてしまうのです。ウィルは酔っぱらっていることで日頃の鬱憤が爆発し、マイクパフォーマンスでは最低な暴言を連発。場内からは大ブーイング。
肝心のシュートは傍に立っていた金髪チアリーダーの頭に直撃!
もう一投やらせろと投げたボールは足の不自由な子供に命中!
最悪な状況でしたよ!!(おもしろかったです)

このことで家族から見放されたウィルは家に入れてもらえず会社で寝泊りすることに…。逆に、マークは父親になるためのチャンスをもらうのですが、社交的で何でもこなせるにも関わらず、まっとうな父親としての役目は全く果たせずに挫折して逃亡。そして酒場で呑んだくれ。

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そんなことがあったことで2人は傷を舐め合うように和解していくのです。
そしてラストのダンス対決に突入していくのでしたー。

暴力なんてクールじゃねえし、ダンスで対決だ!って感じの導入部が良い。
この時点で2人はすでに意気投合しているため、敵はクソ親とクソ子供
ここではマークの超人的身体能力が炸裂したり(スタント使ってましたが)、長男の悩みが解決したりと、いろいろとスッキリしていくので気持ちよかったです。
娘との踊りもうまくいき「どっちのパパも最高だよ」と、ここは予想通りな着地。

その後、マークは新しい妻と再婚!
ウィルの家のすぐ隣に豪邸を建てて住むことになります。
再婚相手の妻に連れ子がいたことで、今度はマークが当初のウィルと同じような悩みを抱えることになるのでした…。
そんな感じで、その後の展開を想像してしまうラストでしたよ。

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ここも完全にネタバレですが、大好き。

好きなキャスト&監督の映画なので、かなりヒイキ目な感想だと思います。
(ほとんどあらすじ書いてただけで感想僅かでしたが)
正直、ギャグがところどころいききってないんですよねー。
そのへんはレイティングを意識したためなのだと思ってますけど。
あと、やっぱりウィル・フェレルにはキチガイな役を演じてほしい。
善人でもいいんだけど、主演作は気が狂ってないとダメだ!
うーん…どうしても物足りなさが残ってしまう。

ラストは続編に繋がりそうなものだったし、2があることを期待します。
この映画って本国ではヒットしたんでしょうか、ちょっと気になりました。
とにかく、次回はマーク・ウォールバーグVSジョン・シナだ!

Home12
大オチのキャスティングが最高。