いけにえ映画狂い

外国映画の感想文。お気に入りシーン備忘録など。ネタバレしてます!

2015年

『カン・フューリー』感想。(劇場未公開)

超カッコイイぞ、カン・フューリー!80年代は最高だッ!ヒトラーを殺せ!!
個人的評価:★★★★★★★★★☆ 90点
Kung Fury
2015年05月22日公開(カンヌ)/31分/スウェーデン/映倫:---
原題:KUNG FURY
監督:デヴィッド・サンドバーグ
出演:デヴィッド・サンドバーグ、ヨーマ・タコンヌ、スティーヴン・チュウ、レオポルド・ニルソン、アンドレアス・カーリング 

いやーーースゴイ。ほぼ何も知らずに観ました。けっこう前の映画ですが…。動画は下に貼ってあるんで未見の方は(いないか)観てみてください↓↓



あらすじ

発端は一年前のことだった。警官であるカン・フューリーは相棒のドラゴンと共に謎のカンフーマスターを追っていた。ところが犯人を逮捕して気を緩めたドラゴンは一瞬でぶった斬られ殺されてしまう。ドラゴンはカン・フューリーにとって父親のような存在だった。許せん…許せんぞ!怒りに燃えた彼はカンフーマスターに銃を向ける。しかし、引き金を引こうとしたその瞬間、落雷の直撃を受けて気を失ってしまう…。意識を失った際に見た光景、それは少林寺でカンフーに励む僧侶たちの姿だった。目を覚ますとカン・フューリーの肉体は変異し、そこにはカンフーの精神が宿っていた…。なぜなら彼は選ばれし者だったからだ。相棒を殺されて悲しみに暮れるカン・フューリー…。その時、彼は誓った。超カンフーパワーで犯罪と闘うことを。

Kung Fury05
彼の名はカン・フューリー。世界一の警官だッ!!

感想

最高すぎ!!!!!!!ありがとうカン・フューリー!!!!!!!!

映画ってわけわからなくてもいいんですよね、面白ければ!という超当り前なことに気づかされたというか再確認させてくれるような映画でした。とにかく面白すぎ。むっちゃ好みですよー、こういうの。荒唐無稽で素晴らしい。超絶おバカな映画だコレは!感動した!全編にハイテンション!良い!好きだッ!

Kung Fury01

舞台は1985年、マイアミ。街は荒れ果てていた。殺しが日常と化したこの街では警官さえも無力だ…。そんなある日、ゲーセンで「クソゲー」と罵られたゲーム機が暴れ出す事件が発生。駆けつけた警官はなす術もなく殺人マシーンの餌食となってしまう。

ということで、冒頭から超スゴイ展開。ゲーム機(筐体)がトランスフォームして人を襲い始めます。連絡を受けたカン・フューリーはカウンタックに跳び乗って現場へ急行。そしてゲーム機とのおもしろバトルに突入し、月をバックに成層圏で殴り合いコイツを撃破…。もうね、こんなこというとアレだけど…ツッコミどころ満載ですよッ!見てて叫びだしたくなった(笑)!

クソゲーに文句垂れただけで頭部をぶっ飛ばされるガキ!素晴らしいぞ!

Kung Fury11

車に乗るだけでも超変だし、いちいち面白いことやろうとしてる感じ。普通のことしてもつまんないから異常なことやろうぜ!っていう精神かなー(笑)。まあ、そんな感じの世界観です(どんな感じだ)。「なんだこれ!?」と思う部分はすべて面白味といってもいいかもしれない。

なぜ相棒が半分恐竜かって?そのほうが面白いからだッ!的な。退屈なシーン一切なし。なので至福の30分でした。最高に濃密。面白いシーンだけがギュッと詰まってる感じ。「ありえねー!!」の連続です。とにかくスゴイ。

Kung Fury06

相棒のドラゴンが殉職したため、一匹狼になったカン・フューリー。しかし、署の規則のため新たな相棒と組まなければならない。で現れたのが、半分人間半分トリケラトプスのトリセラコップ(すげえ)!ファンタジー要素も充分!

「こんなヤツと組めるかよ!オレは警官を辞める!」

カン・フューリーはアッサリ辞職しようとする…。しかしそんなとき、現代にタイムスリップしてきたヒトラーに署長が撃ち殺されてしまう(ここは電話の使い方がスゴイ)。正義の人カン・フューリーはこれに激怒。「許せんッ!」ってことで最強のハッカーであるハッカーマンと共に調査を開始。手がかりである電話番号を逆探知したところ犯人がヒトラーであったことが判明する…。

Kung Fury02

ヒトラーが時を越えて現われた目的は、”選ばれし者”を抹殺するためだった。

1940年代、ヒトラーはカンフー王者だった(後に名前をカン・フューラーに改名…したらしい)。最強の座を狙うため、何年もの間ナチスで人体実験を繰り返すヒトラー。が、ついにはカン・フューリーの技を習得できず、突然消息を絶ってしまう。だがしかし、ヒトラーはカン・フューリーになることを諦めてはいなかったのだ…。

一子相伝的なやつなんでしょうね、たぶん。

Kung Fury14

ヒトラーの企みに気付いたカン・フューリーは、計画を阻止するため奴を抹殺することを決意する…。カン・フューリーのいる時代は85年。ということで、ハッカーマンの発明したタイムマシンで過去へとタイムスリップすることに(キーボードに乗ってスケボー感覚で)。

Kung Fury08

ビジュアルも画質も音楽も80年代テイスト!

Kung Fury15

そして無事タイムワープに成功!…かと思ったらトラブルのためにバイキング時代へとやってきてしまう…。さらに、到着早々レーザーラプターに襲われるハメに…。「クソっ、戻りすぎたぜ!」とか言ってるカン・フューリー。

もう面白すぎて、言葉が出ない。ニコニコしちゃう展開の連続!

そんな時、タイミングよく現われるヴァイキングの女。彼女に命を助けられて事なきを得たカン・フューリー。それから忠告に従い谷から非難し事情を説明したところ、「じゃあ、あの人に頼めばいいんじゃね?」ということで、雷神ソーを紹介してもらい、なんとか目的の時代へ行けることに。ちゃんとお礼にデカい携帯電話をプレゼントするところはさすがだ!バーバリアナ様も素敵!

Kung Fury04

で、ついにクライマックスです(全編クライマックスみたいな内容だけど)。最大の見せ場はナチスとの決戦シーン。ここもちょー最高!

恐竜、ロボット、半獣人、バイキング美女、雷神ソー…という濃すぎるメンツが大集合。さらに主人公がカンフー警官で敵がナチスなので、ものすごく濃厚な画面です。マジでいろんな要素ぶち込んだ闇鍋状態なんで、まあ見てるだけで幸せな気分になりますよ。ともかく、ナイスでイカすゴキゲンな仲間たち。ここからはこいつらがナチをバッタバッタと殺害しまくる…だけかも(笑)。

見せ場の連続っていうか、もう止まらないハイテンションっぷり。敵は基本的に雑魚しかいないので、殺される要員という感じ。とにかく爽快な人体破壊のオンパレードだし、悲壮感はゼロ。やってること滅茶苦茶なんだけど、キャラはそれぞれ信念持って行動している気がするし、そこもイイ。ナチ皆殺し映画の傑作だと思いますよ、個人的には。

登場人物みんな好き。なんでだろ…。アホっぽいからかな(褒めてる)。

Kung Fury12

後半の決戦シーンで個人的に大好きだったのは、カン・フューリーがガンガンナチ兵をぶっ倒していくこのシーン。格ゲー(横スクロール型)のパロディをやってるんですよねー、たぶん。敵の動き方なんかも相当意識していると思います。画面がなんとなくスーファミっぽいし、ここは90年代かも…。

奥行きがほとんどなくて、奥に群がるナチ兵達は完全にモブに徹しているのが面白かったです。あと、ここでもけっこう残酷な殺し方しているのが笑えました。首蹴り千切ったり、首捥ぎ取ったり…とにかく首!やっぱ生首量産タイプの殺人鬼が一番わかりやすくてサイコーっすね(個人的には超好みです)!

カン・フューリーの動きもキレッキレで良かったと思う!カッコイイし!ナチ兵をスケボーにしてスイスイ滑ってバラバラにした後ヌンチャクにするのとか爆笑!!!!!!!!発想が狂ってる!!!!!!!!

Kung Fury13

終始ギャグが炸裂してました。タンクでナチを叩き潰して「Tank you」とかゲーム機を破壊して「ゲームオーバー」など、トドメの際の捨て台詞も秀逸。基本的に殺人はほぼほぼ全部ギャグ。「気骨が足りん。”骨抜き”だ!」で脊髄ごと頭を引っこ抜くシーンが一番好きかなー。声も最高にシブイっすね!

捨て台詞はシュワルツネッガーを意識してると思う。絶対そう!

Kung Fury16

しかし、最強すぎるカン・フューリーも機関銃には勝てなかった。ヒトラーに撃ち殺されてしまうのです…。死後の世界はアニメーションで表現されます。

死亡した途端にカン・フューリーは突然アニメ化され、スーパーカーに乗ってコブラとカーチェイス。しかも、だだっ広い砂漠の真ん中で…と思ったら次は場面が転換し、デジタル?宇宙?に移動して、テレポーテーションして天国へ到着………………書いてても意味が分かりませんが、たぶん見れば状況は理解できると思います(できないかも)。なんかのゲームが元ネタなのかな。

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人の好さそうな善コブラ(神様?)と出合うカン・フューリー。状況を説明してくれるコブラ。一刻も早く現世に戻りたいカン・フューリー。それはムリだと言うコブラ。「ふざけんな!オレは警官だぞ!公務執行妨害だ!法を犯している!殺す!」ってことでコブラを蹴りつけてやっつけたら、なんとカン・フューリーが甦っちゃう…って、なんじゃそりゃ!と思ったら、ハッカーマンが傷の手当てをしてくれてたんですね。いいやつだなあ。

で、目が覚めたカン・フューリーは、ヒトラーのチンコをぶん殴ってバーン!
ぶっ飛んだヒトラーが地面に倒れたところをソーがハンマーでペッシャンコ!

「跡形も無いな…。」よし、任務完了!世界から脅威は去った…かと思われたのだが、現代に戻ったカン・フューリーはデジャヴを感じ気づいてしまう……ヒトラーがまだ死んでいなかったことに!!

おしまい

Kung Fury10

『マイアミ・バイス』、『ロボコップ』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ターミネーター』等々のパロディがテンコ盛りの超絶80年代ムービーでした。もちろんVHSを感じる瞬間も。全編が80年代への愛情で満ち溢れていて、もう大感動&大爆笑。作り手側の「オレはこれが好きなんだ!これがやりたいんだよ!」っていう熱い想いをガンガン感じる良い映画だなって思いました。好きなもんブチ込んだ上でちゃんと面白くなってるから、そこがスゴイ。個人的には大傑作。スウェーデンにも中学生みたいな監督がいたんですねー。

続編やるのかな?やんないのかな?わかんないけどやってほしい!!

「お前泣いてんの?」「泣いてないよ…」「泣いてんだろ!」「泣いてないってば…」ということで、最高だったぞカン・フューリー!!!!

Kung Fury03

まだまだ見たいよー。2シーズンくらい見たい。

Kung_Fury
ポスターデザインも超かっこよかった!!


『ハッピーボイス・キラー』感想。(PG12)

気狂いのライアン・レイノルズが好きな女たちをブチ殺してしまう困った映画! 臆病で童貞で友達はイヌネコだけ!腐りやすい生首は冷蔵庫に保管だ!
個人的評価:★★★★★★★★★☆
Voices
2015年09月19日公開/104分/アメリカ/映倫:PG12
原題:THE VOICES
監督:マルジャン・サトラピ
出演:ライアン・レイノルズ/ジェマ・アータートン/アナ・ケンドリック

<あらすじ>
アメリカの片田舎、ミルトンに住む孤独な青年ジェリー(ライアン・レイノルズ)。地元の工場で働き、犬と猫それぞれ1匹ずつのペットたちと平凡な生活を送っているのだが、そんなジェリーにはある秘密があった。他の人には誰にも聞こえない「声」が聞こえるのだ。精神的な病からくるもので、精神科医のウォーレン博士(ジャッキー・ウィーヴァー)から薬を処方されるも、ほとんど服用せずにペットと会話する異様な日々を送っていた。ある日、工場の社長から年に一度のパーティーをすると告げられ、ジェリーも新人の要員としてパーティーの仕切り係に抜擢される。片思いの経理係フィオナ(ジェマ・アータートン)も仕切り係だったことに心躍らせたジェリーは犬と猫の声に諭されながらフィオナに猛アタック。若干ジェリーに心を寄せるフィオナの同僚リサ(アナ・ケンドリック)をもそっちのけの勢いで中華料理デートに誘うも、見事にすっぽかされてしまう。がっかりするのもつかの間、運よくフィオナを家に送ることになったジェリーだが、彼女を乗せた車の道中、ふとしたことでフィオナを刺し殺してしまう。慌てふためいたジェリーは隠ぺいのため、フィオナの死体を家に持ち帰り、切り刻んだ上、生首を冷蔵庫にしまいこんだ。次第に生首になったフィオナもしゃべり始め、ジェリーは正気を失っていく。
(以上ウィキペディアより)

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とりあえず、ライアン・レイノルズがメチャクチャ可愛かったですよ(*´ω`*)
まあ、連続殺人犯なんですが…なんだか愛おしくなっちゃう感じでした。監督は『ペルセポリス』(傑作!)の方ということで、アメリカ映画っぽくない表現も多々あったりして、そういう部分も楽しかったです。
ブラックコメディだと思います。
人を殺したり、遺体を解体したり、残酷な行為も多いんですが、グロい描写は(たぶん)ほとんどありません。
明るくハッピーな感覚のほうが印象としては強かった気がします。とくにラストステージがなかなかブッ飛んでおり、発想が凄い!変です!
全体的に色彩感覚もド派手で異様にPOPな雰囲気でしたー。

先日観た『デッドプール』の主演ということもあって、ライアン・レイノルズが気になってしょうがないんですよねー。そのために観た、という感じ。

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原題は『THE VOICES』。主人公・ジェリー(ライアン・レイノルズ)は、常人には聞こえない声が聞こえてしまうのです。
動物が話しかけてきたり、生首が喋ったりと、少し異常な世界観。
動物の声(猫・犬・鹿)はすべてライアン・レイノルズが演じています。
つまり聞こえてくる声はジェリーの妄想世界の出来事なのです。

こんなことになってしまったのはジェリーの母親が原因でした。
彼女も同じように声が聞こえてしまう人間で、そのことで病院の人間たちに追いつめられ、ついには自殺…。
しかし一人では死にきれなかったため、とどめを息子にお願いすることに!
そして、ジェリーは母親をガラス片で切りつけて殺害。
これは気が狂うのも納得。
ついでに父親もクズな暴力男で、ジェリーは幼い頃から妄想癖あり。

十年前に起こったこの事件からジェリーの精神年齢は止まってしまいます。それからは声に従って生きていく現実逃避の日々が始まるのでした。

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最初に殺害される女性がこの方ですが、なりゆきが突飛で面白かったです!
同じ職場(バスタブ製造工場)で働いており、彼女に好意を寄せるジェリー。
ある雨の夜、偶然が重なって彼女を車で家まで送ることに。
そしてその途中、彼女をナイフで殺るんですが…。
その前にまず、鹿をブッ殺すんですね!
運の悪い事故で鹿を轢いてしまい、フロントガラスを突き破ってきた半分死にかけている鹿が、どうやら「殺してくれ」と言っていたようで、ジェリーは鹿の首筋にナイフを突き立てて車中で血抜き
助手席に座っていた彼女は当然震えあがってドン引き

恐ろしさから外へ逃げ出す彼女をジェリーは追いかけていき、勢い余ってか(?)殺害。そして、死にかけて血まみれの彼女に、何度も「ごめんね!」と謝りながらザクザクとナイフを突き立てて号泣。
彼女の遺体は森の中に放置したままその日は帰宅。
声が聞こえる自分を否定されたと思い殺害に至ったのでしょうか。
完全に気の狂った殺人鬼ですが、声が聞こえちゃうんだからしょうがない

Voices5
タッパの中に詰めているのは、好きな人の肉片。(キムチにしか見えない)

自宅に戻ると、事の詳細をペットの犬と猫に報告
ウジウジ&ナヨナヨ系の主人公は動物の指示に従いテキパキと行動を開始。
翌日、まずは死体を回収するため殺害現場へ戻るジェリー。
難なく彼女を部屋まで連れ帰ったものの、飛び出たハラワタと遺品のハイヒールは現場にうっかり置き忘れてしまうというドジッ子っぷりを発揮

そして、好きだった彼女をナタ切り包丁でバラバラに…。
人を殺すことによって”生きていること”を実感するジェリー。

Voices3

生首は冷蔵庫の中でキレイに保存。状態も良好。
これは鑑賞のため、そして空想タイムのオシャベリ要員として利用。
首から下のお肉はすべて細かくバラしてタッパ容器の中に入れて…たぶんこれは食べていたのだと思います。冷蔵庫の中身はほぼカラッポですし。
さらっと映る肉の減り具合に注目!
直接的な食人描写はなかったです、残念ながら…。

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いつ見ても好感度バツグンなアナ・ケンドリックは最高だ!

その後、職場の同僚リサ(アナ・ケンドリック)とイイ仲になっていくジェリー。
アナ・ケンドリックが本当にカワイイ!超キュート!笑顔が素敵だ!
途中まで普通の恋愛映画っぽいんですよねー。
彼女は少し前に離婚したばかりで、独り身の猫好きな女性。
ジェリーには最初からずっと好意的に接しています。

そして恋仲は進展していき、ジェリーはリサに童貞を奪われるのです!
(まあ、童貞かどうか明確にはわからないのですが、カラテやってるし童貞だ)
彼女の部屋で一夜を過ごし、幸せな朝を迎えます。
ここが映画全体で最も幸せなシーンでした。
昼間は会社のコピー室で二人隠れてペッティング

その夜、リサがジェリーの部屋を突然訪ねてきます。
ケーキを届けにやって来たのですが、部屋の異常な惨状を目撃されてしまったことで彼女も殺害することに…。
ジェリーの妄想世界ではまっさらでキレイな部屋だったのですが、第三者の正常な人間が見ると、実際はそこらじゅう血にまみれた酷い部屋だったのです!
このあたりの妄想と現実のあからさまな相違も面白かったです。
精神薬を服用時はジェリーも正常な人間と同じように部屋の血まみれに気づいていたりして、妄想と現実の区別がわかりやすく楽しかったです。

Voices8
アナ・ケンドリックも生首に…。

人を殺した際の罪悪感などはほとんど描かれず、どちらかというとそれよりも「ボクってかわいそうだよね」って感じの主人公。
心の葛藤などは、犬が老師猫がサイコパスとしての役割を担いながら、これをライアン・レイノルズの一人芝居によって表現。殺人鬼の脳内を現実世界に引きずり出したような演出は面白いと思いました。
罪の重みなんかはあまり感じさせず淡々と物語が進行。
そしてジェリーが無断欠勤していたことで同僚のデブ女が訪ねて来ます。
これも躊躇することなくアッサリ殺害
しかも、ここは殺害描写を省いていきなり生首なのでホントに最高。

若干コーエン兄弟的な悲喜劇っぽさも感じたのですが、肝心なところは笑いに寄せていたように思います。邦題の『ハッピーボイス・キラー』も、まさにその通りなので良いと思いましたよ。

Voices10

増える生首。どうでもいいけどデブ女の表情ズルすぎだよ!

Voices2

ジェリーは親殺しというレッテルを一応貼られているため、精神病院に通院しています。担当の精神科医が『アニマル・キングダム』に出てたババアだったので、登場シーンでちょっとテンション上がりました!
終盤、この人は拉致されて連れ回されたりして大変そうでしたけどね。
しかし生首になることはなかったです。

同僚が三人も突如として消えてしまったため、会社は調査に乗り出します。
ネット上で閲覧できる新聞から、ジェリーが親殺しだったこともすぐに知られてしまい、ラストの破滅へと繋がっていくのでした。
この殺人犯には計画性などまったくありません
なので、ラストがどうなるのか、ちょっと予測できませんでした。
こういう場合、たいていオチは死ぬか逃げきるかなんですが、そこは明確に描かなかったのが良かったと思います!

Voices11

とにかく鑑賞後の後味が最高なのでオススメです!
ジェリーが死んだのか、それとも精神が完全に崩壊してしまったのか…。
そういうあえて描かなかった部分も含めて気持ちよかったです。
ゲロ
は3回くらい吐くし、部屋は気づいたら動物のウンコだらけだし、ライアン・レイノルズの踊りはキレッキレだし、殺人は一応ちゃんと魅せてくれる
全体的に楽しませようとしている感じに溢れてて好印象。
文句もとくになく、ノリノリな主題歌もすごく良かった!
なんか幸せな気分になりましたよ、生首いっぱいだったし

とくにラストの多幸感は、凄まじすぎて…素晴らしいとしか言いようがない!

Voices12
『ディス・イズ・ジ・エンド』ばりにテンションの上がるラストが最高だ!

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