いけにえ映画狂い

外国映画の感想文。お気に入りシーン備忘録など。ネタバレしてます!

2017年

『ゴースト・イン・ザ・シェル』感想。

SF作品の金字塔『攻殻機動隊』をハリウッドで実写映画化!
個人的評価:★★★★★☆☆☆☆☆ 50点
GHOST IN THE SHELL
2017年04月07日公開/120分/アメリカ/映倫:G
原題:GHOST IN THE SHELL
監督:ルパート・サンダーズ
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハン、ジュリエット・ビノシュ、ラザラス・ラトゥーリー、ダヌーシャ・サマル、泉原豊、タワンダ・マニーモ、ピーター・フェルディナンド、ピート・テオ、福島リラ、桃井かおり

観てきましたー(ゴーストが囁いたので)。

今回のハリウッド版を観る前に『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』を久々に見返したんですが、ドハマりしたのが十年以上前なので…けっこう忘れてる部分も多かったです。正直、あんまり詳しくはないと思います(笑)。原作は一度読んだだけっていう程度…。解説はしてません。個人的な感想。

全体的に愚痴っぽいこと書いちゃったけど後半はウトウトしてて字幕を見逃したりもしたので、たぶんいろいろ間違ってると思います…。眠たかった。

GHOST IN THE SHELL10

あらすじ

ネットに直接アクセスする電脳技術が発達すると共に、人々が自らの身体を義体化(=サイボーグ化)することを選ぶようになった近未来。脳以外は全て義体化された少佐率いるエリート捜査組織「公安9課」は、サイバー犯罪やテロ行為を取り締まるべく、日夜任務を遂行していた。そんな中、ハンカ・ロボティックス社の推し進めるサイバー技術の破壊をもくろんだテロ組織による事件を解決すべく、少佐は同僚のバトーらと共に捜査にあたるが、事件を調べていくにつれ、自分の記憶が何者かによって操作されていたことに気付く。やがて、真の自分の記憶を取り戻していく少佐は、自身の驚くべき過去と向き合うことになる。
(以上Wikipediaより)

GHOST IN THE SHELL02

感想

映像はすげえ頑張ってたと思います。「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」を実写化することに全力を注いでいた印象。けどファンも初心者も楽しむことができる作りを目指した結果、よくある大味なハリウッド映画になっちゃって画は完全に攻殻機動隊なのに肝心のゴーストが宿っていない!って感じに…。単に模倣しただけのダイジェスト版みたいな。

「コレ見たことある!!」っていうシーンの連続で再現度がやたら高いので、そこは驚かされました。オリジナルに忠実なカットが何度も何度も…。『イノセンス』や『アヴァロン』などの小ネタも充実していたので押井守リスペクトの精神は感じました。見どころはビジュアル表現だけかも…。

GHOST IN THE SHELL01

予告見て最初に思ったことは「スカジョが太い!ムチムチしすぎ!」ってことだったんですが、後半の展開で真実が明らかになっていって、最後はムリヤリ納得させられた感じです。草薙素子って言われるとすごい違和感があるけど、そもそもコイツって少佐だけどミラ・キリアンだし素子ではないんですよね(義体は)。なのに前半は素子のオマージュで再現再現再現…。なので、少し混乱させられました。「少佐」っていう役名(?)は良かったのかも。

演じてるスカーレット・ヨハンソンはもうちょい感情抑えてほしかったです。ずーっと眉間に皺寄せてムッとしてるので、そのへん少し気になりました。「私って何?」なストーリーだし、わかりやすいといえばわかりやすいけど、そこのわかりやすさはなくても伝わると思うし心理的な葛藤が表情にバンバン出ちゃうのはなんとなく違うような…。人間味がありすぎる。

あと、少佐の肉襦袢は分厚いし見た目面白すぎるし、肉々しすぎ。どうせなら普通に全裸で暴れ回ってくれたほうがもっと喜べたなー。ただの願望ですが。

GHOST IN THE SHELL06

人体破壊が激しいシーンはちゃんとやってたと思います(義体だけど)。腕が引きちぎれるシーンなんかは見応えありました。できれば首が吹っ飛ぶところも再現してほしかった…とかいう「ないものねだり」的なことはいっぱいありますが、一応は見たいもん見せてもらえた感じです。香港(?)の街並みとか光学迷彩の表現は素直にスゴイと思ったし、けっこう好き。

GHOST IN THE SHELL04

で、個人的に一番期待していたのはクゼだったんですが、いやー、盛り上がんなかった…。最大の敵みたいな扱いのわりにはアクションシーンでの見せ場がほぼないし、わざわざ登場させた必要性もそこまで感じなかったのでけっこう残念。物足りなさも感じました。地味だし、存在感もあまり感じず。

マイケル・ピット大好きなのでなんか悔しい気持ちになりましたよ…。少佐との関係性は、断定はできないし予想だけど「知ってた!」という感じ。もっと濁して表現しても良かったかもしれない、わかんないけど。

GHOST IN THE SHELL09

ぶっちゃけ後半は眠たい内容でした。暗いし。中盤からは編集の雑さも感じたりなんかして、部分部分でシーンを切り張りしているようなガチャガチャした印象も受けました…。あと、薄っぺらくて説明的でクドい。「わかりやすい」ことが本作の売り!らしいんですが、うーん、そこも微妙だった。

オマージュ以外のアクションシーンはかなり凡庸だしハッキリ言って面白くなかったです。何か斬新な見せ場がひとつくらい欲しかった気もします…。スカジョは動きにキレがないしドタドタしてるし、面白かったのはたけしの銃殺くらいかも。既存のハリウッドアクション連発って感じで、あんまり良くない。

GHOST IN THE SHELL05

たけしは何喋ってんだか分かりずらくてセリフも棒読みだし存在感ないし全然ダメだ!って思ってたんですが、終盤の銃撃戦で突然『アウトレイジ』の顔になるのが面白かったです。起用された意図も理解できたような気がします…。もう人殺す役だけ死ぬまで演じ続けてほしい。

TAKESHI IS YAKUZA!!って感じで笑った。

GHOST IN THE SHELL08

現実が原作の世界観に近づいてきているため、90年代に比べると多少は伝わりやすくなってる内容だとは思うんですが、どうしても話の古臭さは感じてしまい、やっぱりちょっと今更感ありました。ずっと言われてた実写化がようやく実現したのは嬉しかったんだけど、「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」と同じことやったからといってそれがスゴイのかというと…どうなんでしょう。脚本の改変部分に対しても驚きがないし…。「過去に何をしたのかではなく、これから何をするのかだ!」みたいなメッセージは好きでしたけどねー。

物語のテーマは2ndの「草迷宮」が元ネタだったみたいです。

アイデンティティ云々がテーマだったらもうちょっとゴーストに対して切り込んでいってほしかった気もします。尺の都合でしょうがない部分もあると思うし、娯楽SFなので哲学的な小難しさが切り落とされてしまうのは理解もできるけど、そこが攻殻機動隊の核となる一番面白いところじゃないの?とも思うので、どうなんだろう…。派手な見せ場ももちろん必要だけど。

てか、もういっそのことストーリーもオリジナルのままでよかったんじゃないの?とすら思いました、最終的に。再現だらけの内容なんだし!

GHOST IN THE SHELL07

予告を見た時点でけっこうガックリきてしまって、「一応観とくかー」程度の気持ちで鑑賞したためか「ふざけんな!」とはまったくならなかったし、想像していたよりは良かったです。もっとヒドイ映画なのかと思ってた(笑)。

個人的には、桃井かおりが登場するところが一番好きだったかも。なるほど…と納得したし、都合のよさも最高。あと、ロボゲイシャが意外と楽しかったです(ぶっ壊れ方とか)。いまだに芸者って人気あるんですかねー、海外では。

GHOST IN THE SHELL03

福島リラが演じていたことは観終わってから知りました。


↑予告


『T2 トレインスポッティング』感想。(R15+)

彼らが選んだ―20年後の「未来」。
原作未読の感想です。
個人的評価:★★★★★★☆☆☆☆ 60点
T2 TRAINSPOTTING
2017年04月08日公開/117分/イギリス/映倫:R15+
原題:T2 Trainspotting
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル、ケリー・マクドナルド、シャーリー・ヘンダーソン、ジェームズ・コスモ、アンジェラ・ネディヤルコーヴァ、アーヴィン・ウェルシュ、アイリーン・ニコラス、ポーリーン・リンチ

名作『トレインスポッティング』の続編作品。めちゃくちゃ大ファンってわけでもないんですが、中学生くらいの頃にレンタルで洋画を観始めた時期に観た映画なので多少は思い入れもあって公開初日に観てきました。とりあえず客席はすごく混んでましたねー。やっぱり人気あるのかな。

なんか文句ばっかりの感想になっちゃったのでファンの方は読まないで!

T1 TRAINSPOTTING

あらすじ

スコットランド、エディンバラ。大金を持ち逃げし20年ぶりにオランダからこの地に舞い戻ってきたマーク・レントン(ユアン・マクレガー)。表向きはパブを経営しながら、売春、ゆすりを稼業とするシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)。家族に愛想を尽かされ、孤独に絶望しているスパッド(ユエン・ブレムナー)。刑務所に服役中のベグビー(ロバート・カーライル)。想像通り?モノ分かりの良い大人になれずに荒んだ人生を疾走する彼らの再会、そして彼らが選ぶ未来とは――。
(以上公式サイトより)

T2 TRAINSPOTTING10

感想

嬉しさと悲しさが半々くらいでかなり微妙な気持ちになりました。序盤は本当に懐かしい友人と再会した感覚で「うおおおおお」って感じで少し泣きそうになったりもしたんですが…当り前だけど演者はみんな20年の歳を取っていて、ヨボヨボまではいかないけど若干枯れていて、しかし中身はあの頃のまんま。最終的にはなんだか絶望的な気持ちになって終わりました…。

前作はウンコ撒き散らしたり赤子の死体が首回したり主人公が便器に潜ったりする素敵な薬中映画でした。なので、T1に比べちゃうとそこまで過激な描写はなかったと思いますT2。個人的にトレスポに求めていたものはほとんどなくてオッサンの同窓会ですね。疾走感もほぼなし。モッサリした演出でした。

底辺を這いつくばってなんとか生きてるだけみたいなクズだった彼らは中年のオッサンになっても「ふつうの生活」を実現できず、選択する自由すらもなくなっていき、さらに悲劇的な雰囲気に…。若さが無いためか惨めさが際立って見えました。負のオーラが滲み出てるというか覇気がないというか、笑えない感じに衰えた印象。それが良くもあり悪くもあり…何とも言えず。

T2 TRAINSPOTTING01

ダニー・ボイルって何かにつけては登場人物を走らせたがるんだよなー!!と思っていたら、今回も冒頭から全力疾走だったので笑いました。12000ポンドを仲間から奪いオランダ・アムステルダムへ逃亡した主人公・レントン。それから20年が経ち、ヘロインはやめたものの今度はエンドルフィン中毒のためにジムで毎日ランニング漬けの日々。昔は路上を走って車にぶつかっていた彼ですが、今回はジムのルームランナーの上で快適にランニング。

そんなある日、心臓発作のために倒れてしまう…。

ここの対比は上手いと思いました。同じことをしていても過去と現在じゃ事情がまったく違い、長い年月が経たことも感じられたし、見せ方も良かった。

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勤めている会社が合併するため学歴のない自分のリストラを確信し、オランダで結婚したものの妻とは不仲…。そんな時に体がダメになり、もう何もかもが絶不調なレントン。そして20年ぶりに故郷のエディンバラへ帰ってくるのだが母親は亡くなっており、人生のドン底に…!

そんな主人公が昔の仲間と再会し、謝罪したり金を返したり強盗したりランニングしたりしながら当時の友情とか生きる希望を取り戻す(?)までを描いた群像劇だったと思います。レントンが選んだものはアディダスだった。

T1ではレントンの心情しか語られませんでしたが、今回は4人が対等に扱われている感じがしました。なので、それぞれのナレーションも多いです。話の軸となるのはレントンとスパッドの関係性で、最終的には過去に仲間を裏切った報いとして命を狙われるハメになりベグビーとの対決になっていきます。実質の主人公はスパッド(禿げてた!)と言ってもいいのかも。

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密閉嘔吐描写はサイコー!!

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懐古主義的なもんをバンバン感じる映画でした。

T1の回想シーンが多すぎてどうなの?と思いましたよ…。しかもどれも描き方が中途半端な上に要所要所にしつこく入れこんでくる感じ。ファン向けに作るのならそういうの排除しても全然伝わると思うし、あくまでも万人に向けての作品だからこうなってんだろうけど説明セリフの多さには興醒め。そういうのが無くてもいきなり話を始められるのが続編映画の魅力だとも思うんですが、「前回のおさらい」が長い上に細切れで…正直しんどかった。

親切といえば親切なんだけど、過剰な接待は嫌いです。

今を楽しむために映画館まで金払って来てんのに「昔は良かったよね、現在は最悪だけどさー☆」とか言われてもなあ(画的に)。監督自身がトレスポの大ファンってのは理解できるしオマージュの数々は嬉しいんだけど「T1サイコーだったよね~!」みたいな映像はもっと削ってもよかった気がします。

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「昔は良かったなぁ…」ってよりは「昔はクソだった、でも今のほうがもっとクソだ!」って感じの内容かもしれない。どっちもあんまり変わんないけど。

T2 TRAINSPOTTING02

テーマは前作と変わらず「人生を選べ」。けど、結局はクズが何を選んだって行き着くところは同じなんですよねー。なんかもう死にたくなる…。

セリフでベラベラ「みんな何かの中毒だ」的なこと言うわりにはしっかり依存を見せてくれる場面が少ないのも気になりました。ドラッグとかセックスとか酒とか暴力とか何でもいいんだけど、要素としては提示するのに描き足りなかったと思います。ヘロインも1シーンだけ(だったと思うけど自信ない…)。なので、鑑賞後に食い足りなさが残りました。唯一ガッツリと描いてるのは「懐古への依存」なんだけど…。

つまり一番描きたいのはそこで、ドラッグは添え物なのかも。

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SNSに批判的な意見を投げつけといて若者文化でちゃっかり楽しんじゃってんのもどうかと思いました…。過去を美化しつつ今も楽しむって、どっちつかずで中途半端だし言動と行動が微妙にブレてる部分もなくはなかったような…。

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クズだらけの主演陣とは違って唯一まともな大人に成長していたケリー・マクドナルドの登場は嬉しかったです。”世界一汚いトイレ”が一瞬映って喜ぶのと同じ感覚の単なるファンサービスにも思えましたが、素直に嬉しかったなー。結局テンション上がったシーンのほとんどが前作T1の引用というかオマージュ的なやつだった気もしてきました…。T2のオリジナル部分にはそこまで魅力を感じなかったというか、むしろ悲しい気持ちになることが多かった…。脚本があんまり良くないのかも。ジョン・ホッジは苦手。

ゴミの山はしつこいし、これ見よがしな象徴はあんまり好きじゃない。

T2 TRAINSPOTTING03

ぶっちゃけベグビーに対しては不満タラタラです。ぼくの好きなベグビーではなかったです。T1の時のような手のつけようのないイカれた奴みたいな印象はあまり感じませんでした。激しく老いたし、丸くなった気がします。脱獄方法なんかは普通に気が狂ってて面白かったんだけど。出所後はキチガイっぽさが抑えられてて、老いを感じさせるような仕草もありました。

インポテンツでバイアグラに頼るようなベグビーは見たくなかった。オカマが相手でもギンギンにそそり立つのがベグビーなのに!

突然ブチ切れる変な奴だった頃のピリピリした空気感が好きだっただけに辛い過去を明かされるのはそんなに嬉しいことでもありませんでした…。その瞬間から人間味が増してしまい、トランクに閉じこめられたままフェイドアウトってのも哀れに見えました。仲間への報復は果たせないし、スパッドには甘々だし、息子への感動するような接し方も生ぬるく思えました…。レントンからのベグビーへの想いも響かなかったし泣きたくなった。「いや原作がこうだからしょうがない!」とか言われたら何も言い返せないけど。

ただ、ロバート・カーライルを久々に映画館で見れたのは嬉しかったです。

T2 TRAINSPOTTING04

55歳だからしょうがないと思うけど、だいぶ太りましたよねー。

T2 TRAINSPOTTING06

終盤はもう気持ち離れすぎてて全くノレず…。いかにもな感動エンディングでWolf Aliceの『Silk』なんかが流れてるのもホントにもう最悪で…最後の最後にレントンが自室でレコードをかけて『ラスト・フォー・ライフ』バーン!!って、ズルすぎ。途中イントロだけ寸止めで聴かせたりしていたので、「いつ流れるんだろうな~」と思っていたらラストでした。

しかもT1で禁断症状が出た時の演出がロングバージョンで延々と…。レントンはドラッグやらずにトリップ状態(?)に突入して、そこに過去の映像なんかカブせてくるから、もう卑怯。ダニー・ボイルは卑怯なやつ。イギー・ポップが流れれば問答無用にテンション上がるしさあ…。やっぱりズルい!

個人的には、踊り狂うにしてもせめて静脈にキツいヘロインを一発ブチ込んでほしかった…。このラストが「俺にとっては郷愁こそが麻薬だッ!」とかいう意味だったらマジで最低(イギー・ポップ=快楽=麻薬なら納得するかも)。

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T3はさすがにないと思うけど4人とも長生きしてください。

T1 TRAINSPOTTING02

「トレインスポッティング(1996)って面白かったんだな!」ということを再認識させられたので、前作を引き立てる作品としては良い映画なのかもしれません。T2のおかげでT1が以前よりさらに楽しめるような作りにもなってると思います、たぶん。

いろいろ不満もあるけど、みんな元気に生きてたし「まあいいか」という気分にもなりましたね。ぶっちゃけ予告の時点で感動して感涙してしまったので、その分本編に期待しすぎたんです…。全体的に展開は面白かったしスパッドの隠れた才能にはビックリしましたよ。演出と劇伴はダサいと思う部分もあったけど、むしろそこが魅力でもあったりするので、うーん…すごくどっちつかずな感想になりました、すいません。当時とセンスは変わってないと思う。

ということで、「人生を選べ」とかホントどうでもいいし深く思い悩んだって結果は同じ。あと、青春時代なんかクソでいい。ありがたがって懐古するのはクズのやることだッ!…と、アーヴィン・ウェルシュが言っているかどうかは分かりませんが、個人的な解釈はそんな感じ。

Dazed and Confused (1)
Dazed and Confused (2)

『バッド・チューニング』は人生。

porno

原作の『ポルノ』はポルノ映画製作でひとヤマあてようと企む話らしいです。どの程度の脚色してんのかも気になりました。国内版は絶版っぽいですが…。読みたいなー。気になる。


↑予告


『パッセンジャー』感想。

90年早く目覚めた2人の壮絶な運命――。
映画史に残るスペース・スペクタル・ロマン(!?)。
個人的評価:★★★★★☆☆☆☆☆ 50点
Passengers
2017年03月24日公開/116分/アメリカ/映倫:G
原題:PASSENGERS
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシア

モルテン・ティルドゥム監督の新作なので鑑賞。

うーん、かなり荒唐無稽でメチャクチャな話でした。そんなに嫌いでもないんですが…かといって良作とは思えないし、ほとんどバカ映画(悪い意味で)。デートムービーっぽい王道のSFラブロマンスですよねー。脚本はグーパンチでツッコミ入れたい感じ(笑)。残念。

Passengers09

あらすじ

近未来、5,000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、人々の移住地に向かうべく地球を出発。到着までの120年、冬眠装置で眠る乗客のうちエンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)だけが、予定より90年も早く目覚めてしまう。絶望的な状況を打破しようとする二人は、次第に思いを寄せ合うものの、予期せぬ困難が立ちはだかり……。
(以上シネマトゥデイより)

Passengers01

感想

ベタというよりは陳腐って感じ。「宇宙で孤独」という古典的なテーマなので物語への既視感が強かったです。なんか見たことあるなーってシーンの連続。映像はそこそこキレイだったし後半のツイスト部分なんかには驚かされたりもして全体的にはそこそこ面白かったんですが、平凡な映画だと思いました…。

ツッコミどころの多い内容だし結末に対しての薄っぺらさなども感じてしまい普遍的で重々しいテーマのわりにはノリが軽い…。登場人物の行動には納得のいかない部分も多かったです。終盤は都合の良すぎる展開がヤバかったー。

Passengers04

もしも冬眠中に目覚めちゃったら!という一発ギャグみたいなツカミで始まり「あれ?起きたの俺だけ?エッ?みんなまだ寝てる!到着地まで90年もかかるって…マジかよ。死ぬまで宇宙船の中で過ごさないといけないじゃんオレ…。二度寝もムリそうだし、孤独すぎて死にたい…ううう、寂しいよー。もう自殺しようかな…宇宙空間ちょー怖ええええ。あっ!イイ女がいるッ!好きだー!起こそうかなあ…うーん(ウジウジ)いや、ダメだ!」と葛藤する主人公。

Passengers03

予告では「二人だけが目覚めてしまった!」と思わせているのですが、実際に冬眠から目覚めてしまったのは主人公ただ一人。なぜそんなことになったのかというと、移住惑星への移動中に運悪く宇宙船が隕石と衝突してしまい、その結果システムに異常が発生したため。それによって主人公の冷凍ポッドだけが開いてしまい、「起きたのオレだけかよ!」という状態に。

船内での娯楽は、酒とダンスとバスケと映画鑑賞(?)くらいだったと思います。貧乏エンジニアなので飯は一番安い残飯みたいなやつ。自分の今いる状況を理解して絶望し、寂しすぎてニートみたいになっちゃうクリプラ…。

Passengers10

自殺の方法は、宇宙ならでは!という感じ。

Passengers11

ジェニファー・ローレンスの寝顔に一目惚れしたクリプラは、手始めに彼女のデータを漁って大興奮。夢を語るオーロラの動画をオカズに飯食ってたりするのでホントもうすごい…。この状況で自慰行為描写を排する不自然さは激しく引っかかったけど、万人向け映画だしそれはしょうがないのかなー。一番強く感じたのは孤独云々より性的欲求でした!

ヒロイン・オーロラを発見した主人公は唯一の話し相手であるロボットに相談しながら起こすべきか否か悩みます。目覚めさせてしまえば自分と同じように船内で一生を終えることになってしまう。そのため「ダメだ!絶対ダメ!」と思いながら一年以上も孤独な生活に耐えることに…。

Passengers07

しかし、ついには想いを断ち切ることが出来ずに彼女を目覚めさせてしまう。

そして、起こしたことは彼女にバラさずに仲良くなっていく姑息なクリプラ。葛藤する描写は弱かった気がします。もっと厳しくしてもよかったと思う…。予告の時点でジェニファー・ローレンスが目覚めることは既に知ってしまっていたので「起こすの?起こさないの?」というドキドキ感はとくにありませんでした…。

他に誰もいない状況なので二人の恋愛はトントン拍子に進んでいき、気づけばラブラブ状態。一人で宇宙空間へ出た時は絶望で涙を流した主人公でしたが、今度はオーロラと二人で宇宙服に着替えて無重力での遊泳デートを堪能。壮大な宇宙の星々を見て彼女が感動しているタイミングであっさりと口説き落とすことに成功し、彼氏彼女になったら即セックスという流れ…!

キスシーンで宇宙服が邪魔になって「キスしづらいな…」と思った直後に全部脱ぎ捨てて全裸で抱き合ってるのとかすごく好きでした。

Passengers12

ヒロインは文学系の知的ドスケベ(にしか見えなかった!)。ただ、濡れ場は見せ場としては弱いし乳首も隠してるので30点。カメラアングルが残念。

セックスしてからラブラブなデートを重ね、出合ってからさらに一年が経った彼女の誕生日に愛の告白をしようとする主人公。しかし、そんな最悪のタイミングで隠し事がバレてしまう…というラブコメお約束のパターン。

目覚めさせたことがバレるシーンは「愛した男は自分のストーカーだった!」みたいな感じで最高だし、貧乏エンジニアが美味い朝飯を奢ってもらうシーンなんかは女に養ってもらうヒモ感があって良かったです。

かっこつけてシリアスぶった演出してないで思い切ってコメディにしちゃえばよかったんじゃないかなーって思いました。笑いになるシーンを台無しにしていた印象です。もったいない!

予告を見て最初に連想したのは下の動画とか↓



題材が古典的なので元ネタありそうですよねー。

Passengers02

密閉空間でロボットしか話し相手がいない状況は『月に囚われた男』、宇宙で孤独ってのは『オデッセイ』、宇宙空間でのダンスは『WALL・E』、二人だけの世界ってのは『惑星ソラリス』、終盤で主人公が一躍ヒーローになるのは『アルマゲドン』(?)からの『ゼロ・グラビティ』の宇宙遊泳、最後の植物は『サイレント・ランニング』!?(ただの思い込みの羅列ですが)

とにかくもうSF要素テンコ盛りで、いろいろと連想してしまって新鮮味は全く感じられませんでした。宇宙という限定された空間だから意図せずカブってしまう部分もあると思うのでそれはべつにいいんですけど、そういうものと比較するとテーマに対しての回答も人物の描き方も浅すぎて…中途半端。

shining

密閉空間で頭がおかしくなる男というシュチュエーションは『シャイニング』を意識していたのだと思います。バーテンダーの服装なんかは完コピしているし、有名な床の柄なんかも再現してました…。つまり、クリプラがヒロインを目覚めさせたのは気が狂ったゆえの行動ってことでしょうか?

個人的にはもっと強烈なインパクトがほしかったです。狂気が足りない…。

Passengers05

唯一斬新だと思ったのはプールのシーン。

システム異常によって無重力装置にも不具合が発生し、ジェニファーが船内のプールで泳いでいると突然無重力になってしまい、軽く溺れます(笑)。

映画で登場するプールはなんとなく不吉なイメージがあっていつも注目してるんですが、これは面白くて好きでしたよー。なかなか見ない状況だし水の表現も良かった。気を抜いてる時に突如襲ってくる恐怖って見てて楽しいですね。他の二人との対比もうまくいっていたしローレンス・フィッシュバーンの浮かなさ加減はちょっと笑いました。怖さは感じませんでしたが…。

Passengers06

後半に入ってから3人目が起床します。これも宇宙船のシステムの不具合で。このへんからご都合主義がヒートアップ!

「え…3人目が登場するの!?」ってことで最初はテンション上がりました。しかし最終的にはローレンス・フィッシュバーンの使い勝手が良すぎて失笑。正直、この人はパスコードを教えてくれるだけの存在だったと思います。で、果たすべき役目を終えたら死んでいく…。使い捨て感ハンパナカッタ。

本作に登場するキャラクターは、バカップルとロボットとパスコードおじさんの4人だけ。大オチでアンディ・ガルシアなんかも登場しますが、カメオ出演だしセリフもなかったと思います。

Passengers13

その後、不具合の原因を探るべく調査を開始する二人…。宇宙船にデカい穴(2年前に破損したやつ)が開いていることにようやく気付いた彼らは人力でお手軽に修復してしまう。スゴイ。

さらに調べてみるとリアクター(原子炉?)が大変なことになっており正常に戻すためには船外に出て手動で扉を開けて排熱しなければならない。さもなければ乗客<パッセンジャー>の命が危険に…!というややムリヤリな展開…。

「オレの命なんかどうだっていい!大切なのは5000人の命を救うことだ!」

クリプラは汚名返上のため立ち上がり、溶ける覚悟で船外活動。ここで燃え尽きて死ぬのか…と思ったら意外と強度抜群の宇宙服で熱に耐えてしまい、瀕死状態で不具合の修復に成功。さらにオーロラの助けにより宇宙空間をスイスイ泳いで帰還。しかし、力尽きたクリプラは死んでしまう…。

Passengers14

「孤独になるのは絶対イヤ~」って感じで泣き叫びながらオーロラは死亡したクリプラの蘇生に挑戦。船内に連れ帰り人体蘇生装置で生き返らせようとしたところ、ハイテク機器によって案外簡単に復活してしまうクリプラ…。

「おおー!死ななかった!…え、結局死ぬんかい!と思ったら生き返った!」と、心の中で叫んでいるうちにクライマックスは終わりました…。

監督はどうしてもジェニファーをタンクトップ姿にしたかったようですね。

Passengers16

さらにその後、冷凍睡眠のポッドが使用可能に…!(爆笑)

「調べたらやっぱり冬眠できるっぽいけど…どうするぅ?」

「現在を選ぶ?未来にする?」とヒロインに新たな選択肢が!


・・・もうどうでもいいよッ!マジで勝手にやってろって感じでした!

Passengers08

オチでのヒロインの選択も理解できませんでしたよ。「アンタのしたことってほとんど殺人と一緒よ!」という気持ちを貫いてほしかった。クリプラが起きて、さらに誰かを起こさないと一人ではどうにもならず…おそらく結果的には全員死んでいたんだろうし言いたいことは分かるんだけど、都合良すぎ。

もし自分がオーロラだったらクリプラに「ありがとう、あなたはヒーローよ」とか言い残して速攻ポッドに入って未来に飛びますねー。船内暇そうだし。

ハッキリ言って過度な救済は面白くないし、最終的には二人とも頭オカシイ人にしか見えませんでした。主人公に対して甘すぎる。

Morten Tyldum

というわけで、あんまり面白くなかったです!

『イミテーション・ゲーム』を撮った監督の作品とは信じられないくらい酷い出来。…と思っていたんですが、脚本が『プロメテウス』の人と知ってすべて納得。ジョン・スペイツは要注意っすね(個人的なブラックリストに追加)。

キャラクターに都合が良いってのもあるんですが、作家にとっての都合の良さが見え見えで…それがイヤ(気に食わない)でした!

起承転結がハッキリしていて話が分かりやすいのは良いんですが、展開してからの流れがどれもこれも予定調和なので盛り上がりに欠けるし平坦なイメージが強かったです。孤独になったことの絶望も二人でいることの幸福も過剰さがほとんどなくて退屈だし、ノレそうでノレずにモヤモヤしたまま終了…。

Passengers15

ツッコミどころとはまた別に、若干気になる点もいくつか残ったまま終わってしまいました。地球に送ったメッセージは55年後に返信があったのか?等々。

なので消化不良感もスゴイ…。伏線っぽいもんを散りばめておいて回収せずに終わる気持ちの悪さ…。ダメ。暫定ワースト。

speed

オーロラの病名:ストックホルム症候群


↑予告


『グリーンルーム』感想。(PG12)

田舎のライブハウスはネオナチの巣窟だった!
ありがとう、アントン・イェルチン…。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆☆ 70点
Green Room
2017年02月11日公開/95分/アメリカ/映倫:PG12
原題:GREEN ROOM
監督:ジェレミー・ソルニエ
出演:アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、アリア・ショウカット、ジョー・コール、カラム・ターナー、メイコン・ブレア、デヴィッド・トンプソン、マーク・ウェバー、エリック・エデルスタイン、カイ・レノックス

昨年不慮の死を遂げたアントン・イェルチンの遺作。イェルチンのことはよく知らないけど、『ブルー・リベンジ』が大好きなので観てきました。いやー、この監督さん好きですわー。面白かった!

残酷描写100点、脚本-30点、計70点。(点数は毎回テキトーに)

greenroom

あらすじ

売れないパンクバンド「エイント・ライツ」は、ようやく出演が決まったオレゴンの僻地にある名もなきライブハウスに出向く。しかし、そこは狂気のネオナチ集団の巣窟だった―。 殺伐とした雰囲気の中、なんとか無事に演奏を終えたバンドメンバー達だったが、バックステージで運悪く殺人現場を目撃してしまう。冷酷なネオナチのボスは全ての目撃者を消すことを部下たちに命じ、メンバー達は全員命を狙われるはめに。状況は圧倒的に不利、人数も武器の数も絶望的に負けている。恐怖におびえるバンドメンバーたちは、楽屋に閉じこもり時間を稼ぎながら脱出を企てるが、重装備のネオナチ軍団が次々に襲い掛かり、メンバー達を血祭りに上げていく……。
(以上公式サイトより)

Green Room01

感想

気合いの入った暴力描写が超最高。正直、サスペンス・スリラーとしてはユルい部分もなくはないと思うので、「ここはもうちょっとさあ…」と文句言いたくなったりもするんですが、リアルに描こうとするとこうなるのかな…。良い暴力映画だと思いました。

全体に漂う乾いた空気感はかなり好みだったし、テンポも良くて見てて飽きなかったです。ジェレミー・ソルニエ監督は『わらの犬』が大好きということでこれにはめちゃくちゃ納得。突然の理不尽な暴力に耐えて耐えて最後の最後にやり返すという本作のプロットはけっこう似てるし意識してると思います。

殺しの素人同士が必死に殺り合う面白さは存分に楽しめました。敵の殺し方が陰惨でネチネチしていてすごく良い。とにかくバイオレンスが炸裂してるし、グロを見せるタイミングも好きでした。ストーリー自体はなんてことないんですが暴力表現に関しては斬新だったと思います。ド派手にやらずにどちらかというと地味で、そこが良かった!

Green Room02

『グリーンルーム(=楽屋)』というタイトルが示す通りライブハウスの楽屋に籠城する主人公たち。周りには命を狙うネオナチ軍団。彼らを倒して無事に脱出できるのか!?という話。

序盤から何か起こりそうな不穏な雰囲気でイイ感じなのですが、個人的に最初にテンションが上がったのはライブシーンでしたー。売れないパンクバンドが一曲目に演奏するのはデッド・ケネディーズの「ナチ・パンクス・ファック・オフ!」。これには爆笑。

ネオナチの巣窟なので当然のことながら客からはブーイングを喰らい、ビンを投げられる始末…。ピリピリと張りつめた一触即発ムードの緊張感が良かったし、バンドの音を消してスローモションにしてアンビエント流す演出もすごく面白かったです。これからナチにぶっ殺されるとも知らずに…!



サントラ買っときゃよかったなー。選曲がイイ!

Green Room13

で、なんとか無事にライブを終えるのですが、楽屋にスマホの充電器を忘れてしまうギタリスト。主人公が取りに戻ったところ、運悪く殺人現場を目撃してしまい(そんなヤバい状況なら一人くらいドアに注意してそうなもんですが)死体を見たために口封じとしてバンドメンバー全員の命が狙われるハメに!

ここからの急展開っぷりが楽しい。

Green Room03

楽屋では女が頭にナイフぶっ刺されて死んでる。(前作でもやってた殺害)

Green Room08

ネオナチ「死体見たな~!殺すッ!」
パンクス「ムリっす、勘弁してください…」

…というわけで、楽屋に籠城してネオナチ軍団との殺戮合戦スタート!

パンクスなんですが、このバンドメンバーすげえヘナチョコです。「ネオナチなんかブッ殺してやるぜ!」とは全然ならず、敵の攻撃にドン引き。けっこうビビっちゃう。しかし一応パンク魂は持ち合わせているようで、リアリティはありました(人物描写は浅め)。行きつ戻りつのヘタレっぷりが面白い。

ヤバいライブハウスからの脱出劇なのですが、一度脱出しても修羅場にビビってまた楽屋に後戻り…とかの連続なのでけっこう笑いましたよ。楽屋を出たり入ったりする展開はサスペンスとしてはどうなの?とは思いながらも楽しかったです。登場人物がけっこうどうしようもない奴らだったりするんですけど、このどうしようもない感じも嫌いじゃなくて…。まあでも最終的には敵に立ち向かっていく主人公がカッコイイのです、うん…。

自分が同じ状況に立たされたらずっとドアは開けませんけどね。怖くて!

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敵がネオナチってのは直球で気持ちよかったです。いちいちやり口が汚くって最高だし、効率の悪さより面白さを優先してくれる攻撃方法にはサービス精神すら感じました。過激にブチ殺すってよりはおもしろおかしい攻防で、滑稽に思えました。まあツッコミどころ満載なんですよね…。それにしても犬に噛み殺させるって…!普通に銃殺したほうが楽なのでは?後処理が楽とか?

ボスはX-MENのプロフェッサーXことパトリック・スチュワート。いるだけで存在感があるし、田舎の大物ヤクザって感じ。部下への指示は的確で無表情な強面だし、なんとなく冷徹な殺し屋のような雰囲気もあり、業務的な仕事っぷりがすごく良い…。僻地に住むネオナチがライブハウスで生計を立てているってところに生活感を感じたりもしました。警察に少年二人を引き渡すシーンなんかはかなり手慣れていて「もう何度か同じような修羅場を経験してんだろうなあ…」と思うと恐ろしい。なんとなく謎めいた軍団でしたね…。

彼に忠誠を誓う弱小の小僧どもは、殺しの素人っぷりが楽しかったです。

Green Room05

人体破壊描写は、個人的には普通に怖かったし生々しくてかなり好みでした。とりあえず最初の流血シーンが超良い。腕をズタズタに切り刻まれちゃう主人公。手首なんかパックリ割れちゃって、ちょっとグロい。この時のアントン・イェルチンのリアクションも「ぎゃあああ」って感じだし表情もすごくイイ。手首スッパリ切断しちゃえばもっとショッキングな展開になると思うんですが、ここは切断しないほうがリアルだし残酷なのかも。

それからドアの向こう側を見せなかったのが効果的だったのかもしれません。「えっ…何が起こってんの?」から「すげえことやられてた~!」という衝撃はデカかった…。普通ならドアの隙間から向こうを覗くアントン視点のカットがひとつくらい入りそうですけど。そこは計算した上で見せないのでしょう。

楽屋にあるもので事態に対処しなければならない緊急事態なので腕の応急処置がダクトテープってのも面白かったです。全体的に描写のリアリティはあったと思うし、PG12のわりには痛々しい話でした。切り傷がとても良い。

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デブの腹をナイフで裂いちゃうのも楽しい!キレイでしたねー!

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刺殺4名、殴殺1名、銃殺5名、犬死に2名。計12名死亡。

終盤は敵も味方もバッタバタ死んでいきます。『ブルー・リベンジ』でも同じようなことやってましたがヘッドショットの突発性がやっぱり最高。何の前触れもなしに突然顔面が吹っ飛ぶのはビビるしテンション上がります。暴力描写は丁寧でショッキング。監督の好みがハッキリしてるのか、単純にクセで同じことやっちゃうのか知りませんがもう大好きですよー。

頼りになりそうな人間が突如としてブッ殺されちゃうのはインパクトがあったし、殺害される人間の人選もバッチリ。あっけない死にざまが印象的でした。

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大好きな映画『ローラーガールズ・ダイアリー』の友人役ことアリア・ショウカット(ギタリスト)は、あっけなく犬に噛まれて亡くなりました。死にざまに関しては信頼できそうな監督だと思います。敵も味方も平等に命が安い!

登場人物がデッケネのTシャツ着てるだけでテンション上がるんですよ。

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前作『ブルー・リベンジ』では青を基調とした画面の色使いが印象的でした。今回は『グリーンルーム』ということで、緑が多かったと思います。けっこう血まみれの映画なので赤色も強烈。全体的には暗めの画作りでした。

Green Room04

『ブルー・リベンジ』で主役を演じていたオッサンも出てましたよ!

Green Room10

結局は最終的に復讐劇なんですよね、この話。

ライブハウスをなんとか脱出したアントンとイモージェンは命を狙われる恐怖と仲間を殺された復讐心から(?)ネオナチの大ボスを殺しに行くことに…。そして、子分もろともあっけなく銃殺。

頭から血をピューピュー噴き出させて死んでいくパトリック・スチュワート。最近こういう死に方あんまり見ないし、面白かったです…。なんとなく無常感も漂っていたりして。やるべきことをやり遂げた、しかし虚しい。復讐を果たした後のスッキリ感もあったのですが、虚無的な気持ちも強く残りました。

Green Room11

”無人島バンド”って誰でも一回くらいは考えますよね(たぶん)。

ということで、人はガンガン死ぬし、イモージェン・ブーツは可愛いし、そもそも相手がネオナチってところがやっぱり最高で…かなり楽しめました。極貧バンドがしょうがなくネオナチの巣窟で演奏することとなり闘いの中でやむにやまれぬ殺しを行う。このあたりの動機については説得力もありました。

しかし、引っかかった部分も何カ所か…。

控え室という限定されたシチュエーションやパンクスVSネオナチという設定を生かしきれていないし、頭脳戦ってほどの知的さもなく、ネオナチはマヌケな雑魚ばかりだし、うーん。後半は人物設定などは関係なくただただ殺し合っているように見えました。そのへんをもう少し練った脚本だったらもっと面白くなったのかなあ、という感じ。ちょっと惜しい作品です。前作に比べると描写が雑に思えました、どうしても…。「作戦を立ててネオナチを皆殺し」という部分をもうちょっと盛り上げてほしかった…。脚本が少し物足りなかった。

そんな感じで不満も多少はありますが、素敵な死にざまに依怙贔屓して70点!

Green Room12

あと、犬が可愛かったです。人間を噛み殺すために訓練された犬なんですが、ハウリング攻撃ですぐに退散しちゃうのも可愛いし、うろうろしてどっか行っちゃうのも可愛いし、最後は飼い主の死体に寄り添って…ほんと可愛い。噛み殺して血にまみれてふがふがやってるのも可愛かったし、良い犬映画。

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最もグッときたセリフは「深刻になるのは耐えられない」でした。
アントン・イェルチン、さようなら…。

マイベストイェルチンは『君が生きた証』のクエンティンかなー。


↑予告


ブルー・リベンジ [Blu-ray]

こっちは文句なしに傑作。


『新感染 ファイナル・エクスプレス』感想。

韓国初の(!?)ゾムビ映画!ちょー最高でした!!ゾンビ特急釜山行!!
個人的評価:★★★★★★★★★★☆ 90点
TrainToBusan
2017年夏公開/115分/韓国/映倫:G
原題:부산행
英題:TRAIN TO BUSAN
監督:ヨン・サンホ
出演:コン・ユ、マ・ドンソク、チェ・ウシク、チョン・ユミ

オチまでネタバレしちゃってるので未見の方は読まないでください!

輸入盤を自宅鑑賞。『アイ アム ア ヒーロー』の韓国版(?)みたいな噂から興味を持って観たのですが……いや、こっちのほうが全然スゴイでしょ!って感じでした(比べる必要もないですが)。とにかくメチャクチャ面白かった!またまとまりのない感想をダラダラと書いてます…。

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肉喰わせろ!な表情がとても良い。

あらすじ

普段は仕事ばかりで娘にかまってやれない主人公・ソクは、妻と別居しており疎遠状態。娘・スアンの誕生日にプレゼントをあげるものの、すでに持っているWiiを買ってきてしまう…。娘のことをちっとも見れていないダメなパパ。そんな父親に対しスアンは「母親に会いたい」とせがみます。ソクは(プレゼントに失敗した)後ろめたさからか、娘のため二人が住むソウルから釜山へと向かうことに。しかしその頃、街では感染した者を凶暴化させる謎のウイルスが蔓延し始めており、親子が乗った”釜山行き”のKTXにもひとりのゾンビ少女が乗りこんでいた…。列車の中でどんどん増殖していく感染者たち…。もはや安全な場所は釜山しかないのだ!親子は無事に生きて辿り着けるのか!?

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感想

最高。自分が今年観た新作の中では一番好きかも。全体的にずっと面白かったんですが、描写がアドレナリン全開なのでボーッと見てても楽しめると思います。意味が分からなかったりモヤモヤするようなこともなく、何も考えずとも勝手に全力で楽しませてくれるような映画です。楽でした(笑)。

ストーリー展開が面白いし演出の吸引力も凄まじくて、終始引き込まれていた感じです。ダルい場面もほぼなくずっとハラハラドキドキで、ホントに楽しくて、二時間があっという間。『釜山行き(原題)』なので「釜山に行くんだろうなあ…」とは思っていたんですが、釜山に行くんですよね、うん…。目的は釜山へ行くこと!生きて釜山へ行くこと!そこの単純さも超イイ!

個人的には結末にヤラれました。観る前はまったく予想していなかったんですが、しっかりキッチリ泣かせてくれます。お涙頂戴っぽい映画って苦手なんですけどね、オチのつけ方は…ぶっちゃけお涙頂戴だと思いましたよ~(笑)。本気で泣かしにかかってます。けど、「泣け!ほら!泣け!」っていうような観客に対しての押しつけがましさはあまり感じなかったし、まったく不快じゃないというか好きな見せ方でした。なんていうか…上手い。結末以外もすごく楽しい映画なんですが、うーん、やっぱりオチのトンネルが最高すぎて…!

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とりあえずアバンタイトルから不穏でイイ感じだし、ゾンビが登場してからはニヤニヤしちゃうことの連続。とにかく分かりやすい。あと、緩急のつけ方も上手かったと思います。映画が始まって15分くらいで列車は出発し、そこから基本的には全力疾走でノンストップな展開ですが、要所要所でしっかりとしたタメもある。しかし勢いのあるテンションはまったく緩めず、むしろガンガン加速していく感じ。乗り物パニックものとしても面白いと思います。KTX発車直前に「すでに何かが始まっている」ということを見せるのも丁寧だなあと思いました。もう褒めるシーンしか思い浮かばないくらい好きですわー。

「ちゃんと臓物見せろ!」とか「サービスおっぱいは?」とかいうゾンビ映画に求める個人的な願望もどうでもよくなりましたよ…。面白すぎて。

(なんか褒めすぎると「たいしたことなかった」とか言われそうで怖いけど)

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ぷぎゃーーー!!!!

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ゾンビは走るゾンビでした。表情に腹ペコ感があるし「喰うぞおおお!」って感じがすごく良い。みんなとにかく元気イッパイだし、なんとなく活きのいいトビウオみたいな動きしてましたよ。ちなみに、”ゾンビ”という言葉は一度も出てこなかったと思います、たぶん。

デジョン駅に群がるゾンビ軍が、もう最高で…。ガラスなんか突き破ってボンボン降ってくるし、腕がぐにゃんぐにゃんになっても食欲旺盛。軍隊ゾンビの山盛り状態も見せてくれたし画的にも楽しかったです。

人体破壊描写は控えめだったと思います。派手な血しぶきもないし、臓物引きずり出すような目を覆いたくなる残酷シーンもありません。おそらく大衆娯楽としてのゾンビ映画を製作したのだと思うので、そのへんはしょうがないのかなと思います。個人的にはそういう過激な描写があったほうが嬉しかった気もしますが、そのぶんゾンビの動きはパッキパキだし、テンポの良すぎる勢いもあって、まあ、あんまり気になりませんでした。誰にでも薦められそうな映画であり、よくできた娯楽エンタメって感じの印象が強かったです。

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パニック映画のお約束といえると思うのですが、非日常的な緊急事態に陥ったことでそれまで信じていたものが無力化してしまうところもちゃんと描かれていました。逆に、思いもよらぬものが役だったり…。そのため主人公は両腕にガムテープを巻いて死に物狂いでの戦闘に身を投じていくことになるのです。

ゾンビの設定は、分かりやすかったと思います。まず、明るい場所では視覚を頼りに動くものに攻撃してくる、それが暗闇になると視力が弱いのか音に反応してくる、という感じ。俊敏性はありますがパワーは弱めだったと思います。なので、頑張れば素手でも対抗できると。

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デジョン駅で乗客たちは一度下車することとなるのですが、軍隊がすでに壊滅しておりゾンビ軍団となっていたため、再び同じKTXに乗車します。しかし、お互いの大事な人と離れ離れになってしまう。3人が飛び乗った車両は9号車。スマホで連絡を取り合い、スアンたちが13号車の洗面所に非難したことを知るが、周りにはゾンビがうようよいて身動きが取れない。そんな彼女たちを救出するために男たちは簡易武装で立ち上がるのでしたー。

作戦の内容は、とりあえずゾンビをやっつけながら13号車に向かい、その後、ゾンビをやっつけながら安全な15号車まで逃げるというもの(超単純)。

これから闘いに向かう前の戦闘準備って映画でよく描かれると思うんですが、こういうシーンあると個人的には嬉しいんですよねー。「もうやるしかねえぞ!」みたいなピリピリした空気感が最高だし、バラバラに行動していた3人の男たちがひとつの目標に向かって協力し合っていくこの感じ…アガる。

時間がないから手元にあるものを利用して急いで武装するんですが、マ・ドンソクは素手でゾンビとやりあうんですよね、かっこよすぎました。途中、野球部の青年はゾンビになってしてしまった元野球部のチームメイトと対峙し、彼らを攻撃できない葛藤などを乗り越えて成長していきます(逃げてたけど)。

アメリカ産ゾンビ映画とは違って列車での攻防には銃が登場しません。それが作品の個性を際立たせていたような気もしました。基本的に、ゾンビは殴打でやっつけます。殴って蹴ってバットでぶっ叩く。または、見つからないように逃げる。車輌にいるゾンビをぶっ倒して次の車両へと移動していくんですが、微妙に難易度がアップしていく展開はなんとなくゲーム的で面白かったです。

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マ・ドンソクがすごく良い。スアンを助けるためにゾンビを撃退する一発目のエルボーからそうなんですが、主人公のソクとは対照的な描かれ方をしていたと思います。自分の犠牲を顧みずに他者を救う存在。ソクはデジョン駅の攻防から徐々に彼に影響されて(?)利他的な人間へと変わっていくのです。

ドンソク兄貴は妻との間に赤ちゃんを身籠っているのですが、「生まれてくる子供にまだ名前は付けてないんだよね~」という前フリがあり、そして死に際の一言に繋がるわけですが、もうね、泣く…。マ・ドンソクがマジでヤバい!超カッコイイ!ホント最高だし、好きだし、素敵だし、最高!

ゾンビになることを悟った際のこのなんとも言えない表情も素晴らしい!

The Host

ピョン・ヒボンのコレとか思い浮かびました。(『グエムル』の感涙シーン)

TrainToBusan10

「みんなで力を合わせて釜山へ行くニダ!絶対に死なないゾ!」

自分本位に他者を蹴落として生きてきた主人公が、他人を思いやれる人間へと成長していく物語だと思いました。職業はファンドマネージャーということで登場からなんとなく冷徹な雰囲気があり、見知らぬ老婆に席を譲ってあげる娘に対しても「こんな非常事態に褒められるようなことはしなくていい」と言い放ったりもする。中盤では軍の関係者に電話し、自分たちだけは隔離から逃れようとする身勝手さ。自分のことしか考えていない故の行動ですよね。

しかし、緊急事態なんだから「自分のことだけ考えてればいい」のではなく、緊急事態だから”こそ”見知らぬ他人同士が助け合わなければいけないんだ、ということにゾンビとの戦闘を経て目覚めていくのです。

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で、悪役のオッサンがすごくイイ、非常に醜いオッサンです…。本気で自分のことしか考えてない、自分さえ生き残れさえすれば他人が何人死のうが知ったこっちゃない、超絶利己主義的な男。登場した瞬間からメチャクチャ感じ悪いんですけどね、死ぬまでちゃんとクソ野郎でしたよ…。やることなすこと胸糞悪くて、生命力もゴキブリ並。死ね!死ね!

コイツさえいなければッ!ううう…泣。

「私がこんな人間なのには実は理由があって…」みたいな女々しい理由づけが最後までないのも良かったです。こういう人って現実社会にいっぱい存在しますしね。ゾンビも怖いけど結局一番怖いのは醜く愚かな人間なのでしょう…。キャラクターは皆それぞれ個性的で顔面力も素晴らしかったと思います!

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おばちゃん!顔!顔!(笑いと恐怖と感動が入り混じるシーン)

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この野球部員カップルも大好き。ゾンビになってもお幸せに~!

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浮浪者のおじさんは途中何度もみんなの足を引っ張っちゃったりもするんですけどね、最後の最後は男らしく生きる屍になっていきました…。彼の死にざまも泣きどころ。最終的に誰が生き残るんだろう?って予想をするのもパニック映画の楽しみのひとつですよねー、自分はそういうことを考える余裕すらなくひたすら映画に呑み込まれていきましたが…。

チェ・グィファ、すごくいい顔だ!

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その後、それまで乗っていた車線が塞がれていたために列車を乗り換えることになった一同。が、ゾンビに見つかっちゃってさあ大変!

『ショーン・オブ・ザ・デッド』みたいにゾンビの真似すれば助かったのでは…?なんてことも一瞬考えましたが、そんな映画オタクみたいなことは一切やりません!(てか、そういうの通用しなさそうな雰囲気)

列車に引きずられるシーンはかなりグッときましたよ。ゾンビだって団結するぜ!って感じで襲い来る大量のゾンビ軍団からは、とにかく「肉喰いたーい!人間の生肉喰いたーい!」っていう本能的な欲求がガンガン伝わってきたし、ここは震えがくるくらい良かった。ゾンビたちも頑張って生きてるんだなあ(死んでるけど)と思うと、彼らの協力プレーでうるっときそうで…。意図してやってるのかどうか分からないものもありましたが、後半は涙腺を刺激するシーンが多かったと思います。それに、瞬間的には『ワールド・ウォーZ』級のアレみたいな動きをしていたりして、かなり頑張ってました。ゾンビたちはメチャクチャ頑張ってた気がします!!

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燃え盛る列車を見て、この世の地獄みたいな心境に…。若干の終末感。

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そして、大ボス・背広のオッサンとのラストバウトへ。ソクとオッサンは取っ組み合いの死闘を繰り広げます。しかし、ソクは手の甲をオッサンに噛まれてしまいウイルス感染。オッサンは列車から振り落としたものの、このままではゾンビ化してしまい娘が危ない。そのため、人間である意識が残っているうちに娘と別れることを決意するのです…。

いつゾンビ化するか分からない状況なので時間もなく、去り際に多くも語らないのが逆にやばい…。幼い少女だし、ぎゃあぎゃあ泣き喚いて別れを拒むのもリアルだし…。ここのシーンもめちゃくちゃ良かったですよー。

序盤で「何かをするときは、何が何でも最後までやりきるんだぞ」という車内でのセリフがありましたが、父親にとってその結果がラストの行動だったんだと思います…。ゾンビのお食事パーティー映画を期待して観てみたら、最終的に描かれるのは家族愛でした。韓国スゴイわー、バイオレンスだけじゃない。そういえばこういうドラマ量産してる国でしたよね(全然見てないけど)。

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こんなのズルい…。もう、感動のゴリ押しですよー!!(良い意味で)

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そんなこんなでゾンビになった父親とは別れて、生き残ったスアンとチョン・ユミ(マ・ドンソクの嫁)はなんとか列車を運転しながら無事に釜山まで辿り着く…。しかし、トンネルの前で線路は封鎖されており、しかたなくトンネルの中を歩いて向こうまで行くことに…。このオチがすごく良い!

泣きそうになる瞬間は途中何度もあったのですが、涙腺崩壊したのはここ!

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まあ………スアンが泣きながら歌を歌うだけなんですが。(ネタバレ)

伏線っぽい伏線(前フリ的な)を序盤と中盤で見せているのですが、ボクは頭カラッポで観ていたので最後になって「あっ!ええっ!そういえば!アレか!うおおおおおお!」という状態に…。

ハッピーエンドともバッドエンドともいえない、このサジ加減がすごく良い。父親であるソクが列車を降りた時点で、個人的にはもう「ああ、終わった…」って感じで、娘はぎゃあぎゃあ泣いてるし、なんかもらい泣きしそうだったのですが、ここはなんとか我慢して(我慢する必要などまったくないが)、この話どうやって決着つけるんだろうなあと、いろいろ考えちゃったんですけど、後日談みたいな母子感動の再会シーンもなく、『アイ・アム・レジェンド』のような取って付けたようなナレーションもなく、「きっとお父さんにも歌声は届いてるはずよ…」みたいなサブいセリフもなく、ホントに良かったなあ…。ラストの切り方はすごく適切だった気がします。終わるポイントが最高。

トンネルの中をトボトボ歩いていく二人、先には軍兵が待ち構えており、上官からの射撃命令が下されるものの微かに聞こえる歌声に気づき「…人間だ!」ということで、確保ォー!確保ォー!

父親に聴かせたかった歌声で命を救われる少女。泣けるわー、もうダメ…。

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あと最後に、アバンタイトル最高。

もうここから大好きでしたー。韓国某所で謎の検問があり、業者がよそ見運転していたら鹿を轢き殺してしまう…。しかし車が走り去った後、鹿がムクッと立ち上がり、こっちを見たところでタイトル『부산행』ブゥワァーン!!!!

超カッコイイ。

コイツはすでにウイルス感染したゾンビ鹿。いきなり不穏な感じがして、もうたまらん。鹿の動きも(CG?)グネグネしていて薄気味悪かったですよー。よそ見して運転してるドライバー見てるとなんとなく事故りそうでソワソワしちゃうんですけど、気合いの入った韓国映画はだいたいちゃんと事故ってくれますよね(アレとか、アレとか…)。なのでもう冒頭から信頼できそうな映画だなあと思っちゃいましたね。音も好みだし。

Yeon Chan-heum

ヨン・サンホ監督の存在はまったく知りませんでした…。元々アニメーション出身ということで実写映画は初監督らしいのですが、「ここもっとこうすればいいのになあ…」みたいな部分もほとんどなかったし、映画としての完成度もけっこう高いような気がしました。なので次作も期待したい。とりあえず今は『ソウル・ステーション/パンデミック』が激しく観たい。本作の前日譚的な内容なんだとか…(よく知らないけど)。これも今年日本公開されるようなので楽しみ!!

邦題は”新幹線”と”新感染”をかけたオヤジギャグ的な、ダジャレですよね…。まあ、でもタイトルが何であっても面白いものは面白いし、邦題は見ただけで内容がすぐに理解できそうですし、良いと思いますよ、うん…。

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『釜山行き』の邦題が『新感染』だと知ったときの表情はこんな感じ…↑

TrainToBusan17

チョン・ユミから生まれてきたかったーーー!


↑予告




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