いけにえ映画狂い

外国映画の感想文。お気に入りシーン備忘録など。ネタバレしてます!

サスペンス

『バーニング・オーシャン』感想。

世界最大級の「人災」と言われるこの事故はなぜ起こったのか?
施設内に残された126人の運命は?
個人的評価:★★★★★★★☆☆☆ 70点
Deepwater Horizon
2017年04月21日公開/107分/アメリカ/映倫:G
原題:DEEPWATER HORIZON
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、ジーナ・ロドリゲス、ディラン・オブライエン、ケイト・ハドソン、ダグラス・M・グリフィン、ジェームズ・デュモン、ジョー・クレスト、ブラッド・リーランド、J・D・エヴァーモア、イーサン・サプリー、トレイス・アドキンス、ジャストン・ストリート

当時ニュースで見た記憶はあるんですが「なんか海面に石油が漂ってたな…」程度なので、まあ、詳細はほとんど何も知らずに観た感じです。

ここが好きとか嫌いとかダラダラ書いてるだけの感想文。ネタバレしてます!

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あらすじ

メキシコ湾沖80キロメートルにある石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン」で、海底油田からの逆流によって上昇した天然ガスへの引火が原因で大爆発が発生。現場で働いていた作業員126人が施設内で足止めを食らう。事故により多数の行方不明者と負傷者を出す大惨事となり……。
(以上シネマトゥデイより)

Deepwater Horizon08

感想

いやー、めちゃくちゃ面白かったです。好き。2010年にメキシコ湾で起きた原油流出事故を元にした実録モノ。「なぜこんな事態になったのか?」という惨事に至るまでの過程と、そこからの生還を描いた話。

アメリカ史上最悪の人災らしいですね(よく知らないけど)。

実際に起きた事件ですし人も亡くなっているので「面白い」とか「楽しい」とか不謹慎に思われそうだから若干言いいずらい気もするけど(まあそんな映画いっぱいあるし気にしなくてもいいか)、最初っから最後まで退屈せずに楽しめましたよ。上映時間もちょうどよかったと思います。長さは感じなかった。

Deepwater Horizon14

最大の見せ場は、事故が起きてバーニングする瞬間。もう観る前から大惨事が起こってしまうのは知っちゃってるんですが「いったいいつ起こるのか!?」って部分でかなりワクワクできた気がします。ここの部分でわりと長めに引っ張っているんで、正直ちょっと前半は間延びしている印象もありました。けど個人的には「いい焦らし」だったなと(笑)。事故が起こりそうで起こらなかったりするんで、そのへんの焦らし加減が好きでした。今か今かと待ち続けて「来るぞ来るぞ………キターーー!!」って感じ。大噴射!大爆発!最高!!こういう部分もパニック映画の醍醐味なんじゃないかなーって思います。

『バトルシップ』みたいな荒唐無稽な展開よりは、事実を忠実に再現することを優先していた印象です。前作『ローン・サバイバー』に続いて硬派な作り。多人数をガシガシ捌いて魅せていく演出は『キングダム/見えざる敵』なんかも思い出しました。本作も脚本は同じマシュー・マイケル・カーナハン。

Deepwater Horizon11

上映時間ちょうど半分くらいで作業員たちが事態に気づき、その後30分ほどはよく見る災害現場の地獄絵図。けっこう血まみれだったし、ちゃんとしてた。痛そうな足も見せてくれたし満足です。映倫Gだしグロってほどではない…。起承転結がハッキリしていて前半のマッタリムードから後半への落差が激しいのも効果的で、それが悲惨な状況を際立たせていたと思います。

普通のパニック映画だったらもっと早めに何か起こりそうなもんですが一時間くらいはトラブルが発生しません。みっちり人間関係を描きつつ丁寧に状況を説明してました。ただ、キャラの掘り下げはあまりなく、主人公に焦点を当てすぎずに絶妙な距離感を保ってる感じ(娘とかはどうでもいい存在だった)。

…なのだけどイマイチ仕事内容が理解できない部分もあったりして、専門用語にも引っかかったり…。リアルな描写を求めるとそういうものも必要だったんだろうし、たぶん自分の理解力不足のためだと思いますが…。

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映像は大迫力で最高。爆発も噴射も炎の燃え方も好みでしたー。巨大セットを使って撮影したそうで、事故現場の様子は若干わかりにくい部分もあったけど臨場感は強く感じました。なので、炎が燃えているシーンは興奮しっぱなし。痛そうだし熱そうだし、デカいセット使ってるからか質感の説得力もありました。あと、CGも良かった。

前半の演出はわりと淡々としていて、それに対して後半は対照的な感じ。全部が全部ってことでもないと思うけど大筋は実話だと思うので、ストーリーに対してはとくに何も言うことなし。変にドラマチックになりすぎないし、脚本は良かったんじゃないかと思います。

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序盤の家庭風景も楽しかったです。その後に起こる事故の大まかな状況を子供が説明してくれるのが最高で、しかも子供も理解できる分かりやすさ(振ったコーラ缶に穴を開けて噴射!!)。ここの和やかムードと実際に事故が起きた際の絶望具合にギャップがあったのも良かったと思います。「これから起こることを何も知らずに…」的なアバンタイトルによくあるやつ。

暗喩的なんだけど、直球すぎてギャグにも思えるシーンでした。不要といえば不要だし削っても成立しそうな部分なんですが、個人的には好き。なんとなくサービス精神のようなものを感じたので。

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人災の原因となる男はBP社の管理職員ヴィドリン。安全管理を怠るクソ野郎。演じているのはジョン・マルコヴィッチでした。こういう悪い役やるとホントに悪い顔にしか見えないし、超ハマり役。すごくイイ。

過剰な描き方とは思わなかったです。けっこう自然。

掘削作業が終わる前に必要なテストの担当者を独断で帰してしまい、登場から印象はあんまり良くない…。工期の遅れを取り戻そうと確認作業を疎かにしてしまうダメ責任者。さらに、セメントの強度確認テストでは異常値が出てんのに「大丈夫だろ、たぶん」って感じで作業を進めてしまい、その結果、仕事場が全部ブッ飛ぶ大惨事に…。

ヤバい事態になってからは、ほとんど喋らず押し黙ってるのがなんかリアルで良かったです。利益のために部下の命を危険に曝しといて、いざ危険な状況に追い込まれると自分の命が一番大切!って…もう最悪。救命ボートに乗り込んでいく姿には腹立ちましたよー。

事件の後、彼は殺人罪で起訴されたそうです。スッキリしたー。

Deepwater Horizon06

で、カート・ラッセルは今回もかっこよかった。

風呂場で全裸のままブッ飛ばされて気を失うんだけど、目覚めたら視覚がダメになってて全身傷だらけ。足にはガラス片がブッ刺さってるし。それでもノソノソ服を着て立ち上がり、危機を食い止めようと奔走する超カッコイイ上司。「やることやるぞ」って感じの姿にヤラれましたー。弱音も一切吐かないし。全裸で血まみれになる状況も個人的には好きです、無防備で。

そしてマルコヴィッチと向かい合って対峙する場面がもう最高。言葉は要らないし表情だけで言わんとすることがガンガン伝わってくる感じ。二人とも名優だなーと改めて思いました。すごい。カートは7年連続で安全賞を受賞しているスゴイ男という設定なんですが、電話対応で判断ミスをしちゃったのは気が緩んでたからなのかな…。タイミングも悪かったのかも。

Deepwater Horizon12

個人的に贔屓のデブ(イーサン・サプリー)が出演してんのも嬉しかった!!マルコヴィッチにせっつかれてしょうがなく連絡を取り不安を抱えたまま作業を行い、最終的に亡くなってしまう悲しい人…。終盤までは誰が生きてて誰が死んだのかあまり分からず、最後のほうで死んでたことに気づき…少し虚しい気持ちになりました…。死にざまが見たかった!

上司に反抗できない感じとか、生命の危険が迫っている緊急事態でも「権限が無いからできない!」とか、なんだか厭な上下関係なんだけど職場で日常的に目にする光景って感じでしたねー。イヤな上司ってホントにイヤだなー。

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個人的に胸アツだったのは、ヒロインっぽくない女(ジーナ・ロドリゲス)が終盤になって突然ヒロイン的な立場にポジションを変える展開とか。「跳ぶか死ぬか、どちらか選べ!」みたいな究極の選択も面白かったし急にヒーロー感がグングン増していく主人公も良かった。テンション上がりましたよ。

ここは「さすがバトルシップの監督だッ!」という感じで好き。

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「予想できない驚きの展開」とかはこれといってないんで大筋はけっこう普通なんだけど、実話ベースの内容だしそのへんは気にもなりませんでしたねー。ラストで裁判を受ける流れになるのですが、そこは案外アッサリ描き、最後は「現在の彼らはどうなったのか?」というもの。オーソドックスで手堅い作りだったなーと思いました。泣き叫ぶ遺族に胸ぐら掴まれる主人公とか…。

ネクタイの色が施設で最悪の事態が起こったときに点灯するマゼンタの警告灯と同じ縁起の悪い色…とか暗喩的なこともいろいろやってたようです。観てる間はちっとも気づかなかったけど。

ということで良かったです。こういう人災をしっかり娯楽にしちゃうアメリカって国はやっぱりすごいなーとも思いました。邦題は、実際に観てみたら本当にオーシャンでバーニングしてるような内容だったので、良いんじゃないの!って感じ。

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オチは実話ベース映画のお約束、ご本人さんの写真が登場パターン。

結果的には、現場にいた126人のうち11人の方々が亡くなったそうです。爆発とか噴射の規模を考えると奇跡的なのかもしれません…。正直もっといっぱい死んでんのかと思ってたんで驚きました。

明確に死にざまを描く描写はなかったと思います。まあ、けど、状況的に人が死んでてもおかしくないのは一目瞭然だし、実際に起こった人災を描いてるんでそのあたりの配慮は必要だったのかなと…。物足りないといえば物足りない気もするけどー。うーん。

ともかく、次のピーター・バーグは『パトリオット・デイ』!楽しみ!

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機械の説明書は何が一番重要かって、わかりやすいこと!


↑予告


『グリーンルーム』感想。(PG12)

田舎のライブハウスはネオナチの巣窟だった!
ありがとう、アントン・イェルチン…。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆☆ 70点
Green Room
2017年02月11日公開/95分/アメリカ/映倫:PG12
原題:GREEN ROOM
監督:ジェレミー・ソルニエ
出演:アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート、アリア・ショウカット、ジョー・コール、カラム・ターナー、メイコン・ブレア、デヴィッド・トンプソン、マーク・ウェバー、エリック・エデルスタイン、カイ・レノックス

昨年不慮の死を遂げたアントン・イェルチンの遺作。イェルチンのことはよく知らないけど、『ブルー・リベンジ』が大好きなので観てきました。いやー、この監督さん好きですわー。面白かった!

残酷描写100点、脚本-30点、計70点。(点数は毎回テキトーに)

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あらすじ

売れないパンクバンド「エイント・ライツ」は、ようやく出演が決まったオレゴンの僻地にある名もなきライブハウスに出向く。しかし、そこは狂気のネオナチ集団の巣窟だった―。 殺伐とした雰囲気の中、なんとか無事に演奏を終えたバンドメンバー達だったが、バックステージで運悪く殺人現場を目撃してしまう。冷酷なネオナチのボスは全ての目撃者を消すことを部下たちに命じ、メンバー達は全員命を狙われるはめに。状況は圧倒的に不利、人数も武器の数も絶望的に負けている。恐怖におびえるバンドメンバーたちは、楽屋に閉じこもり時間を稼ぎながら脱出を企てるが、重装備のネオナチ軍団が次々に襲い掛かり、メンバー達を血祭りに上げていく……。
(以上公式サイトより)

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感想

気合いの入った暴力描写が超最高。正直、サスペンス・スリラーとしてはユルい部分もなくはないと思うので、「ここはもうちょっとさあ…」と文句言いたくなったりもするんですが、リアルに描こうとするとこうなるのかな…。良い暴力映画だと思いました。

全体に漂う乾いた空気感はかなり好みだったし、テンポも良くて見てて飽きなかったです。ジェレミー・ソルニエ監督は『わらの犬』が大好きということでこれにはめちゃくちゃ納得。突然の理不尽な暴力に耐えて耐えて最後の最後にやり返すという本作のプロットはけっこう似てるし意識してると思います。

殺しの素人同士が必死に殺り合う面白さは存分に楽しめました。敵の殺し方が陰惨でネチネチしていてすごく良い。とにかくバイオレンスが炸裂してるし、グロを見せるタイミングも好きでした。ストーリー自体はなんてことないんですが暴力表現に関しては斬新だったと思います。ド派手にやらずにどちらかというと地味で、そこが良かった!

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『グリーンルーム(=楽屋)』というタイトルが示す通りライブハウスの楽屋に籠城する主人公たち。周りには命を狙うネオナチ軍団。彼らを倒して無事に脱出できるのか!?という話。

序盤から何か起こりそうな不穏な雰囲気でイイ感じなのですが、個人的に最初にテンションが上がったのはライブシーンでしたー。売れないパンクバンドが一曲目に演奏するのはデッド・ケネディーズの「ナチ・パンクス・ファック・オフ!」。これには爆笑。

ネオナチの巣窟なので当然のことながら客からはブーイングを喰らい、ビンを投げられる始末…。ピリピリと張りつめた一触即発ムードの緊張感が良かったし、バンドの音を消してスローモションにしてアンビエント流す演出もすごく面白かったです。これからナチにぶっ殺されるとも知らずに…!



サントラ買っときゃよかったなー。選曲がイイ!

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で、なんとか無事にライブを終えるのですが、楽屋にスマホの充電器を忘れてしまうギタリスト。主人公が取りに戻ったところ、運悪く殺人現場を目撃してしまい(そんなヤバい状況なら一人くらいドアに注意してそうなもんですが)死体を見たために口封じとしてバンドメンバー全員の命が狙われるハメに!

ここからの急展開っぷりが楽しい。

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楽屋では女が頭にナイフぶっ刺されて死んでる。(前作でもやってた殺害)

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ネオナチ「死体見たな~!殺すッ!」
パンクス「ムリっす、勘弁してください…」

…というわけで、楽屋に籠城してネオナチ軍団との殺戮合戦スタート!

パンクスなんですが、このバンドメンバーすげえヘナチョコです。「ネオナチなんかブッ殺してやるぜ!」とは全然ならず、敵の攻撃にドン引き。けっこうビビっちゃう。しかし一応パンク魂は持ち合わせているようで、リアリティはありました(人物描写は浅め)。行きつ戻りつのヘタレっぷりが面白い。

ヤバいライブハウスからの脱出劇なのですが、一度脱出しても修羅場にビビってまた楽屋に後戻り…とかの連続なのでけっこう笑いましたよ。楽屋を出たり入ったりする展開はサスペンスとしてはどうなの?とは思いながらも楽しかったです。登場人物がけっこうどうしようもない奴らだったりするんですけど、このどうしようもない感じも嫌いじゃなくて…。まあでも最終的には敵に立ち向かっていく主人公がカッコイイのです、うん…。

自分が同じ状況に立たされたらずっとドアは開けませんけどね。怖くて!

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敵がネオナチってのは直球で気持ちよかったです。いちいちやり口が汚くって最高だし、効率の悪さより面白さを優先してくれる攻撃方法にはサービス精神すら感じました。過激にブチ殺すってよりはおもしろおかしい攻防で、滑稽に思えました。まあツッコミどころ満載なんですよね…。それにしても犬に噛み殺させるって…!普通に銃殺したほうが楽なのでは?後処理が楽とか?

ボスはX-MENのプロフェッサーXことパトリック・スチュワート。いるだけで存在感があるし、田舎の大物ヤクザって感じ。部下への指示は的確で無表情な強面だし、なんとなく冷徹な殺し屋のような雰囲気もあり、業務的な仕事っぷりがすごく良い…。僻地に住むネオナチがライブハウスで生計を立てているってところに生活感を感じたりもしました。警察に少年二人を引き渡すシーンなんかはかなり手慣れていて「もう何度か同じような修羅場を経験してんだろうなあ…」と思うと恐ろしい。なんとなく謎めいた軍団でしたね…。

彼に忠誠を誓う弱小の小僧どもは、殺しの素人っぷりが楽しかったです。

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人体破壊描写は、個人的には普通に怖かったし生々しくてかなり好みでした。とりあえず最初の流血シーンが超良い。腕をズタズタに切り刻まれちゃう主人公。手首なんかパックリ割れちゃって、ちょっとグロい。この時のアントン・イェルチンのリアクションも「ぎゃあああ」って感じだし表情もすごくイイ。手首スッパリ切断しちゃえばもっとショッキングな展開になると思うんですが、ここは切断しないほうがリアルだし残酷なのかも。

それからドアの向こう側を見せなかったのが効果的だったのかもしれません。「えっ…何が起こってんの?」から「すげえことやられてた~!」という衝撃はデカかった…。普通ならドアの隙間から向こうを覗くアントン視点のカットがひとつくらい入りそうですけど。そこは計算した上で見せないのでしょう。

楽屋にあるもので事態に対処しなければならない緊急事態なので腕の応急処置がダクトテープってのも面白かったです。全体的に描写のリアリティはあったと思うし、PG12のわりには痛々しい話でした。切り傷がとても良い。

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デブの腹をナイフで裂いちゃうのも楽しい!キレイでしたねー!

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刺殺4名、殴殺1名、銃殺5名、犬死に2名。計12名死亡。

終盤は敵も味方もバッタバタ死んでいきます。『ブルー・リベンジ』でも同じようなことやってましたがヘッドショットの突発性がやっぱり最高。何の前触れもなしに突然顔面が吹っ飛ぶのはビビるしテンション上がります。暴力描写は丁寧でショッキング。監督の好みがハッキリしてるのか、単純にクセで同じことやっちゃうのか知りませんがもう大好きですよー。

頼りになりそうな人間が突如としてブッ殺されちゃうのはインパクトがあったし、殺害される人間の人選もバッチリ。あっけない死にざまが印象的でした。

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大好きな映画『ローラーガールズ・ダイアリー』の友人役ことアリア・ショウカット(ギタリスト)は、あっけなく犬に噛まれて亡くなりました。死にざまに関しては信頼できそうな監督だと思います。敵も味方も平等に命が安い!

登場人物がデッケネのTシャツ着てるだけでテンション上がるんですよ。

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前作『ブルー・リベンジ』では青を基調とした画面の色使いが印象的でした。今回は『グリーンルーム』ということで、緑が多かったと思います。けっこう血まみれの映画なので赤色も強烈。全体的には暗めの画作りでした。

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『ブルー・リベンジ』で主役を演じていたオッサンも出てましたよ!

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結局は最終的に復讐劇なんですよね、この話。

ライブハウスをなんとか脱出したアントンとイモージェンは命を狙われる恐怖と仲間を殺された復讐心から(?)ネオナチの大ボスを殺しに行くことに…。そして、子分もろともあっけなく銃殺。

頭から血をピューピュー噴き出させて死んでいくパトリック・スチュワート。最近こういう死に方あんまり見ないし、面白かったです…。なんとなく無常感も漂っていたりして。やるべきことをやり遂げた、しかし虚しい。復讐を果たした後のスッキリ感もあったのですが、虚無的な気持ちも強く残りました。

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”無人島バンド”って誰でも一回くらいは考えますよね(たぶん)。

ということで、人はガンガン死ぬし、イモージェン・ブーツは可愛いし、そもそも相手がネオナチってところがやっぱり最高で…かなり楽しめました。極貧バンドがしょうがなくネオナチの巣窟で演奏することとなり闘いの中でやむにやまれぬ殺しを行う。このあたりの動機については説得力もありました。

しかし、引っかかった部分も何カ所か…。

控え室という限定されたシチュエーションやパンクスVSネオナチという設定を生かしきれていないし、頭脳戦ってほどの知的さもなく、ネオナチはマヌケな雑魚ばかりだし、うーん。後半は人物設定などは関係なくただただ殺し合っているように見えました。そのへんをもう少し練った脚本だったらもっと面白くなったのかなあ、という感じ。ちょっと惜しい作品です。前作に比べると描写が雑に思えました、どうしても…。「作戦を立ててネオナチを皆殺し」という部分をもうちょっと盛り上げてほしかった…。脚本が少し物足りなかった。

そんな感じで不満も多少はありますが、素敵な死にざまに依怙贔屓して70点!

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あと、犬が可愛かったです。人間を噛み殺すために訓練された犬なんですが、ハウリング攻撃ですぐに退散しちゃうのも可愛いし、うろうろしてどっか行っちゃうのも可愛いし、最後は飼い主の死体に寄り添って…ほんと可愛い。噛み殺して血にまみれてふがふがやってるのも可愛かったし、良い犬映画。

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最もグッときたセリフは「深刻になるのは耐えられない」でした。
アントン・イェルチン、さようなら…。

マイベストイェルチンは『君が生きた証』のクエンティンかなー。


↑予告


ブルー・リベンジ [Blu-ray]

こっちは文句なしに傑作。


『ネオン・デーモン』感想。(R15+)

喰うか喰われるかのファッション業界を描いたモデル残酷物語。
個人的評価:★★★★★★★☆☆☆☆ 60点
TheNeonDemon
2017年01月13日公開/118分/アメリカ・フランス・デンマーク/映倫:R15+
原題:THE NEON DEMON
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:エル・ファニング、キアヌ・リーヴス、クリスティナ・ヘンドリックス、ジェナ・マローン、アビー・リー、デズモンド・ハリントン、ベラ・ヒースコート、カール・グルスマン

「あなた、他の子に仕事を取られたことある?」
「ええ」
「それで、どうしたの?」
「彼女を食べたわ」
「…キモッ!」

TheNeonDemon21

あらすじ

16歳の美しい少女ジェシー(エル・ファニング)は、ジョージアの片田舎からロサンゼルスに出てきたばかり。彼女はインターネットで知り合いになったカメラマンを目指しているディーン(カール・グルスマン)が撮影してくれた写真を手に、モデル事務所に足を運ぶ。そしてオーナーのロバータ(クリスティナ・ヘンドリックス)は、彼女の才能を見抜き、即座に契約する。
(以上シネマトゥデイより)

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感想

食人映画(ネタバレ)ってことでかなり期待していたんですが、好きと嫌いが半々くらいです。悪趣味な要素を随所に盛り込みつつストーリーはシンプルに。テーマは「美と狂気」。美しいことだけが取り柄の田舎娘が調子こいてたら、嫉妬に駆られた先輩モデルたちに喰われちゃうって話(?)です。

前作『オンリー・ゴッド』よりはわかりやすい内容でした。象徴的な要素もいくつかあるんですが、ストーリーはわりと一本道で難解ってほどでもなかったと思います。レフン監督なので色彩感覚は相変わらず強烈で映像は超絶キレイでした。画面の構図はシンメトリーを意識していたのかキューブリックっぽい画作りが多かった気がします。

個人的にはアートのような美意識の高さが今回ちょっと苦手だったのと、やっぱりストーリーが単調すぎたのでそこまでノレず…。世界観に酔い痴れるってほどにはのめり込めませんでした。鑑賞中なんとなく息苦しかったです。いろいろと意味を散りばめてんだろうけど、見てて疲れましたよ…。

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とりあえず一番引っかかった点を最初に書いときます。

エル・ファニングが絶世の美女扱いされてんです…。ここめちゃくちゃ重要なポイントだと思うんですが、彼女が”究極の美”とか”誰もが羨む”ってのが若干納得いきませんでした。カワイイんだけど、同業者がブッ殺したくなるくらいのスーパーモデル(になる逸材?)には見えませんよ…。というのも、すぐ隣にはアビー・リー・カーショウみたいなガチの超絶美女がいたりするもんだから、シーンによってはエルがキュートなブタに見える瞬間なんかもあったりして、「美しい」というよりは「カワイイ」という感じなんですよね。なので、そこまでの説得力は感じませんでした。ふっくらもちもちしすぎ。

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パッと見はアビー・リーのほうが遥かに美しい!手足長い!小顔!

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しかし、大御所っぽい奴らがみんなエルに一目惚れ…。

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とりあえず脱がす。そんで金粉を塗りたくる。ここは最高だけど。

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エルは乳首NGだったんですかね??(アイドル女優なのか)

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前半はかなり面白かったです。退屈しなかったし、ニヤニヤしっぱなし。話の推進力は弱いんですが「彼女はいったいどうなっていくんだろう…?」というラストへの興味で集中力は保てた感じ。

モデルウォークのシーンがすごく好きでした。セリフは極力少なめだし俳優の表情で魅せているのが気持ちよくて、ここから鏡割り&流血までの一連のシークエンスは無駄が無かったし、微妙な表情の変化だけでキャラクターの心情を表現しているのは上手いなあと思います。丁寧な演出でした。

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その後、勝負に負けたアビーはエルに喰らいつき…。

相手を食べるって行為の意味がイマイチ理解できてないんですが、美貌を体内に取り入れることで自らも昇華するってことなんですかね。呪術のための食人とか儀式としての食人とか場合によっていろいろ意味合いが変わりそうですけど、このへんは解説が聞きたいです。処女ってことも重要なんでしょうか…。モヤモヤします。どうでもいいけどエルの部屋に山猫が入りこむシーンはここへの暗喩だったんだとか…よくわかんないですね!

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ドギツい色彩感覚は今回も抜群で、『サスペリア』っぽい色使いが印象的でした。音も意識してんじゃないかと思います。このへんはなんとなく…模倣っていうか亜種っぽくて、どうなんでしょう…。監督が大好きなんだろうけど。

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個人的にレフン映画に期待してんのは容赦のない瞬発的な超暴力なんですが、弱かったです。というか直接的な描写はほぼなかったです。終盤、水のないプールにエルがぶっ倒れて流血した瞬間、「始まる!」と思ったらカットが変わってコトが終わっており、加害者の3人が血まみれで…。ちょっとガッカリ。

エルの隣の部屋で巻き起こっていたであろうバイオレンスも見せてくれないし残念です。この壁一枚隔てた部屋で起こっている惨事はめちゃくちゃ気になりました…。キアヌが少女を犯してたんだと思うんですけど(違うかも…)。「見せて!」と思うシーンはけっこうあって、消化不良感が残りました。

で、オチなんですが、狂気というよりは滑稽で…。

TheNeonDemon11

ショボい嘔吐描写。派手にブチ撒けてほしかった…。長いタメもダルい。

TheNeonDemon12

自決は最高だけど。

TheNeonDemon13

ゲロまでの微妙なタメはどうかと思いました。撮影前のメイクしてる時点で「うっ…」ってなってんのに長々と引っぱって吐き出したら少量…。やってることはサイコーに気が狂ってんのに演出が地味。大残酷にも笑いにもならない中途半端さがもったいなかったです。しかし目ん玉丸呑みしますかね…。

TheNeonDemon14

もっと残酷なゴア描写でドン引きしちゃうようなシーンがあってもよかったんじゃないかな~と思いました。具体的にはエルの遺体を解体してガツガツ喰らうシーンですよね。そこがないのは物足りない。悪趣味な題材なんだからそのへん気合い入れて10分くらい見せてくれてもよかったのに…。肝心の遺体解体描写も食人描写も完全にカットされてんですよねー。見せない恐怖とか大嫌いですよ、全然コワくない。グロもたいしたことないし。

後半は象徴的なものがクドクドしく思えてきて、正直ダルかったです。

TheNeonDemon15

ジェナ・マローンがネクロフィリア(死体愛好)ってのは最高。しかもレズ。

TheNeonDemon06

キアヌはけっこうチョイ役でした。さして印象にも残らず「そういえば出てたねー」くらいの感じ。どうしてもキアヌ・リーヴスじゃないとダメ!って感じはしなかったし、可もなく不可もなく…。彼とその舎弟みたいな男のやりとりなんかは面白かったんでもっと見ていたかった気もしましたけど、そんなことより壁の向こう側が見たかった、コイツどんな異常者だったんだろう…。


おしまい

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こんな映画を妻(Liv Corfixen)に捧げるって…どういう心境なんですかね。椅子からズリ落ちそうになりました。レフンなりのいいわけ?

TheNeonDemon19

ネットで知り合うカメラマンは『LOVE 3D』でチンコ出して射精してた人。


↑予告


『ザ・ギフト』感想。

君が過去を忘れても、過去は君を忘れない!絶対にな!
痛快な復讐ムービーでした、サイコー!
個人的評価:★★★★★★★★★☆ 90点
TheGift
2016年10月28日公開/108分/アメリカ/映倫:G
原題:THE GIFT
監督・脚本:ジョエル・エドガートン
出演:ジェイソン・ベイトマン、レベッカ・ホール、ジョエル・エドガートン

予告を見た時点では、正直もっと安っぽいホラーなのかと思ってたんですが、意外とよく出来た映画でビックリしました。すごく好きですよ。とくに脚本が素晴らしかったと思います。奪うよりも与えること、そして、殺すことよりも生かすことのほうがよっぽど恐ろしい、そんな映画です。視覚的に過激な描写なんかは一切出てきませんし出来事そのもののショッキング度合いはそこまで高くないかもしれません。しかし最終的には「こんな残酷なことがあるか!」という結末で、もう最低で最高!…ということで感想書いていきます。

イジメをするような奴は全員こんな目にあってほしいなー。

TheGift6

ストーリーはシンプルです。新婚夫婦が新しい生活をスタートさせるため夫の故郷(シカゴ)へ帰ってきます。そこで元同級生だと名乗る男・ゴードと偶然にも再開。その日以来、彼からの一方的な贈り物(ギフト)が届くようになっていき幸せだと思っていた夫婦が徐々に破綻していく…というスリラー映画。不気味さを増していく贈り物…。最後に贈られるものはいったい何なのか…。そして、その目的は?

TheGift13

ハネケの『隠された記憶』みたいな話でしたよ。それから『オールド・ボーイ』なんかも連想しました。こういうの大好きですねー。お前が忘れてても、やられたほうは一生忘れねえからな!っていう過去の因縁もの…。映倫Gだし予想範囲内でしたが、ビジュアル的な残酷さを求めてしまうと肩透かしを喰らうと思います。暴力もエロもほぼありません。それゆえに一層キモいのかも。

TheGift3

ジョエル・エドガートンのオリジナル脚本&初監督作ってことにまず驚きます。本作では彼が悪役であるゴードを演じているのですが、凄かった!過去にヒドい目に合わされたんじゃないかと思えるくらいの怨念のようなものを感じました!他人を蹴落としてのし上がっていく人間達を映画で殺したかったのかな(笑)。役はハマっていたと思います。いるだけで不穏だし漂っている空気感なんかにもゾクゾクしました。とにかく薄気味悪くてブキミすぎ。劇中でも「ブキミなゴード」とディスられてました。

一見すると親切に見えるのですが、感謝や祝福を込めて届けられるはずのギフトが不気味でしかないんです。何か奪われたり暴力を受けたりするわけでもなく、一方的にプレゼントされるだけ。この行為が本当に気持ち悪い。善意であるはずのものに恐怖するってところが良かったです。「嬉しいけど、なぜ?」意味がわからないから怖ろしい。しかしゴードはただ夫のサイモンに対して”お返し”をしていただけなのです…。サイモンは自分でも気づかぬうちに、過去にゴードに対してギフトを贈っていたのです…。

TheGift2

最初は、善良な夫婦の家庭をぶち壊す『ノック・ノック』みたいな理不尽なやつかと思ってたんですが、ちゃんと動機があったので面白かったです。説得力もありました。本作は過去の因縁を巡る物語です。なぜゴードがこんなことをするのか、その理由とは…?そしてサイモンとゴードの間に起こった事件とは何か?

ゴードからの贈り物行為、サイモンの職場でのいざこざ、夫に不信感を抱き出す妻、どれも丁寧に描いていたと思います。ゴードの不審な行動がエスカレートするにつれ過去の関係が炙り出されていきます。映画前半の被害者・加害者の関係が逆転し、後半にはゴードもサイモンも別の顔に見えてきます。前半と後半で登場人物のイメージがガラッと変わるのが面白いところでした。

TheGift14

そして、サイモンの本性が少しずつ明らかになっていく…。

TheGift11

後半になると夫に対して不信感を持った妻の行動でゴードとサイモンとの過去の因縁が明らかになっていきます。演じたレベッカ・ホールはものすごく良かったですよ。ちゃんと美しいし。なんとなくアン・ハサウェイっぽい。

ギフトと一緒に贈られたゴードの手紙に「過去はすべて水に流す」という一文があり、妻のロビンはサイモンとゴードの過去に何があったのかを調べ始めます。そしてある事件が原因でゴードが高校を退学していたことを知るのです。彼は車の中で男に性的虐待を受けており、それをサイモンと友人のグレッグが目撃。その噂は高校中に知れ渡ることとなり、ゴードは退学せざるを得なかったのです…。息子をゲイだと疑ったゴードの父親は激怒し、彼に暴力を振るってしまう(半殺し)。その結果、父は刑務所に入れられることとなりゴードの人生はめちゃくちゃになってしまったのです。

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しかし、昔の友人・グレッグに直接会って明らかになったことは、そんな事件は存在しなかったということでした…。つまり、すべてはウソだったのです。まったく何もなかった。目撃も、ゲイ行為も、何もなかった。サイモンは学校中にゴードを中傷するようなウソを言いふらしていただけ。なぜなら「サイモンはそういうやつ」だから。彼は卑劣なクソ野郎で、ゴードが気に入らずイジメの標的にしていたのです。

夫婦は何故ゴードがギフトをくれるのか、まるで理解できない。しかし、それは忘れているだけで夫が過去にゴードに対してギフトを贈っていたのです。「宗教とは関係なしに正しい心を持っていれば悪い出来事も自分への贈り物(ギフト)になるかも」「いいことの多くは悪いことから生まれる」。過去のイジメはゴードへの贈り物となっていたのです。それに対してゴードは"お返し"をしていだけなのです。要は「等価交換」で、サイモンの人生をめちゃくちゃにするためにゴードはギフトを贈り返していたのです。高校時代は、サイモンの言う事は絶対。つまり、それがたとえ嘘であったとしても、サイモンが言えば現実になってしまう。ゴードは【サイモン・セッズ】と呼んでいました(アメリカにそういう遊びがあるらしいです、王様ゲームみたいな)。

TheGift4

ジェイソン・ベイトマンをキャスティングしたのは大正解だったと思います。ベイトマンの出演作で有名なのって『ジュノ』の在宅仕事のオタク野郎とか、『モンスター上司』のウダツの上がらないサラリーマンとか、ジョックスとは真逆の役柄が多かったと思うんです。なので、今回もイイ人なのだろうと思いこんで観ていると…実は学生時代は最低なイジメの首謀者で、しかもクソ生徒会長。ナイス配役だったと思いますよ。『ディス/コネクト』では息子をいじめて自殺に追い込んだいじめっ子を捜す父親を演じていたベイトマンが、今回は卑劣ないじめっ子。それも後半になって明らかになってくるので、やられた~という感じです。個人的には、ジェイソン・ベイトマン(そこそこ)好きなつもりなんですが、彼のイメージって”根がイイ人”で、雨に濡れた捨て犬とか拾ってきちゃう善人のイメージしかなかったんで、まんまと裏切られた感じです。こういう裏切りは嬉しかったりします。

TheGift10

で、オチが強烈でした。正直、予想はできちゃうと思います。まあ、これ以外に考えられない…。むしろ、個人的には観ているうちにゴードのほうへ共感してしまったため「絶対こうしてくれ!頼む!」という気持ちでしたね。たぶんもっと残酷にしようと思えばできると思うんですが(妻を惨殺するとか)、リアリティのある物語として描こうとすると、このオチがギリギリだったんじゃないかなと思いました。胸糞悪さもあまりなく、ゴードの側に感情移入していたからか案外スッキリできました。観終ると、復讐を果たした達成感でいっぱいで気持ちよかったですねー。主人公は完全に自業自得ですし。へたに血まみれになったりしないところが良かったです。イヤな復讐の仕方でした。これだったら殺されたほうが楽なんじゃないのかな…とも思いました。辛い現実を与えられて生かされちゃうのが一番シンドイ気がします。どちらかというと恐怖よりも悲哀に満ちたエンディングでした…。

サイモンを絶望させるもの贈り物とは、ベビー用品と、中に入っていた3つの包み…。贈り物は毎回ちゃんと気色悪かったです。最初のワインは出会って早々に「いきなり?」という感じだし…。2番目のカラスクリーナーは夫婦が新居を初めて訪れてガラスに息を吹きかけるシーンがあるのですが、そういう一部始終をゴードはどこかから監視していたのだと思います。3番目の鯉はフツーに不法侵入だし。犯罪的な恐怖のギフト(犬誘拐など)はすべてゴードがやったものなのか、謎でした…(ダニー・マクブライドかも)。見せない部分も「どうなんだろうなー」と考えつつ、気味悪かったですね。

夫婦を他人の家に招待するシーンは、なんだかバレバレでとても可愛い。

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ゴードからの贈り物(ギフト)一覧
  1. ワイン
  2. 鯉とそのエサ
  3. ガラスクリーナー
  4. ベビー用品
  5. 家のカギ、CD、DVD
  6. 赤ちゃん(?)

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家に無断で入られてた!

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盗聴されてた!(ワルキューレの騎行!)

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妻が眠っている間にレイプしやがったなッ!

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・・・ということで、最高でした。高校時代についた1つの嘘で同級生の人生をめちゃくちゃにしてしまったクソ野郎がその報いを受けるという話です。サイモンみたいな人は、きっとリアルにも大勢いますよねー。そういう人たちに『ザ・ギフト』を観てもらって過去を少しでも悔いてほしいです。

過去に誰かをいじめた経験があるような人はそっちに感情移入してしまうのかもしれません。登場人物の誰に感情移入するかでラストをどのように感じるか違う映画です(映画なんか全部そうですが)。感想を見ると、不快!不快!という意見が多いみたいですが、個人的には超爽快で、心が晴れ晴れするような映画でした。本当に心地良いラスト。

結末の部分は若干ぼやかしていたりして、観客の想像に委ねるような部分も多かった気がします。サイモンはラストで絶望のドン底まで堕ちていきますが、自殺なんかは絶対にせずに苦しんだまま生き続けてほしいです…。それだけのことをしたんだから。

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ジョエル・エドガートンが一気に大好きになりましたよ。風貌も表情もすごく良かったですし、左耳にピアス、変なヒゲ、変な表情、なよなよして弱そうな身のこなし(実際弱いのでボコられる)。出演作けっこう観てましたが、今まであんまり印象がなかったので見直したくなりました。最初はキモい印象しかなかったです。おそらくゴードは童貞で、レイプすることで大人になれたのだと思います(ただの妄想です)。サイモンはムカつきすぎたからかちゃんと痛い目にあってくれて嬉しかったです。性格の腐り具合が最低でしたし、ゴードに感情移入しすぎて、怖いというよりは「よくやったゴード!!」って感じ。それとは関係なくサイモンは仕事上のゲスっぷりも仲間にバレてしまい職を失い、本性を知った妻とはおそらく離婚。徹底的に突き落としてくれましたー。なので、もう何も言うことなし!ありがとうジョエル・エドガートン!

TheGift15

嫌な奴がガンガン嫌な目にあって気持ちよかった!
しかも殺さずに一生苦しめるタイプの制裁!
個人的には恐ろしさより爽快感のほうが強かった!
人を蹴落として生きてきたような人間はクソ!
事実を都合よく捻じ曲げる奴もクソ!
生徒会長をやるような奴は全員クソ(偏見)!
いじめられた人間はいつまでも覚えているし絶対忘れないんだよ!


…と自分のことを棚に上げていろいろ思ったんですが、見終わってから日が経つと、自分はどうなんだろう…と考えちゃいますね。もちろんいじめた経験はないつもりですが、誰にも恨まれてないとも思えません…。たぶん誰でもそうなんでしょうけど、ちょっとだけ怖ろしくなりました。昔の同級生なんかにはますます会いたくなくなったし、ギフトなんか頂いても絶対無視ですよねー。そんなの考えただけでも気持ち悪いし、そもそも貰えないし、同級生なんかは全員死んでいてほしい、本気で。あと、エンディングの選曲サイコーだッ!(Templesの『Keep In The Dark』)


おしまい 


↑予告


『COP CAR/コップ・カー』感想。(PG12)

悪ガキにパトカーを盗まれて焦りまくる悪徳保安官の物語。『狼の死刑宣告』以来の魅力全開なベーコン映画、最高だ!
個人的評価:★★★★★★★★★☆
CopCar
2016年04月09日公開/88分/アメリカ/映倫:PG12
原題:COP CAR
監督:ジョン・ワッツ
出演:ケヴィン・ベーコン、ジェームズ・フリードソン=ジャクソン、ヘイズ・ウェルフォード、シェー・ウィガム

<あらすじ>
家出中の少年トラヴィス(ジェームズ・フリードソン=ジャクソン)とハリソン(ヘイズ・ウェルフォード)は野原を歩いていたとき、無人のパトカーを見つける。二人は面白半分に乗り回し、車内で見つけた銃や防弾チョッキで遊んでいたところ、車を盗まれたことに気付いた持ち主の保安官ミッチ・クレッツァー(ケヴィン・ベーコン)から無線の警告が入る。その異様な口調に驚いた少年たちは、やがて車のトランクに隠された秘密に気付き……。
(以上シネマトゥデイより)

CopCar2

いやー、もうメチャクチャ好きですよ、この小規模感!
とくに派手な展開もなく、「盗んだパトカー返せ!」というワンシュチュエーションで最後まで描ききってた印象です。
演出も撮り方も良かったんですけど、個人的には音楽の使い方なんか超好みでした。一見するとほのぼのして見えるシーンなんかもノイズ交じりのBGMが不安な気分にさせてくれるのです。突然何か恐ろしいことが起こりそうな雰囲気が常に漂っており、にも関わらず笑える滑稽さもあって、とにかく最高だ!

CopCar3
写真左・ハリソン、右・トラヴィス

冒頭のシーンは少年二人が卑猥な言葉遊び(「ちんこ」「おっぱい」「うんこ」など)に興じながらだだっ広い草原を歩いているというもの。
田舎町のどうしようもない退屈さが伝わってきましたよ。
そんなとき、森の中でパトカー(コップ・カー)を発見するのです。
二人は車までほふく前進で近づき、石を投げて攻撃。周囲を警戒しながら少しずつ近づいていきます。中には誰も乗っていない様子。ドアにも鍵はかかっていない。二人はとりあえず車に乗りこみ運転ごっこ。そんなことをして騒いで遊んでいると、偶然にも車のキーを発見してしまう!
ということで実際に運転してみることに…。
「運転のやり方はマリオ・カートで覚えたからバッチリだ!」

ここはテンションの上がり具合が最高でした!
重要なシーンなので15分近くたっぷり使って少年たちがパトカーを盗むシーンを描いています。無邪気でほのぼのした雰囲気なのですが、いつ持ち主が現れるかわからない緊張感がずっとありました。しかも盗むのは警察の車。
ケヴィン・ベーコン登場までの引っ張り方がすごく良かった。

CopCar5

そして、ベーコン登場。ここだけは時系列が前後しています。
ベーコンは死体を埋めるために森へ来て、作業に励んでいる間に少年たちに車を奪われてしまったのです。そのことに気づいたベーコンのリアクションが情けなくてすごくイイ!
ブチ切れたりはせず、「ク~、困ったなあ…」という感じ。
車のトランクにはまだもうひとり人間が入ったままだったのです。

とりあえず警察の指令室に電話し、パトカーの無線から連絡がないか確認。その後、車を追いかけるためタンクトップで大きなカバンを抱えて全力疾走!
超カッコ悪いんですけど、面白かったですよ。
あたふたしてて可愛いんです!(ヒゲのオッサンですが)
ベーコンが焦れば焦るほど面白くなる映画でしたよ。

CopCar4

いろいろ好きなシーンあったんですが、一番好きなのはここ。
パトカーを奪われたベーコンが、知らない誰かの車を盗むシーン。

外から車の窓ガラスに両手を突っ張らせてぎゅうぎゅうやってるから何やってんのかと思ったら、窓を下に引き下げてたんですね。そして僅かに開いた隙間から靴紐を垂らしてドアのロックを解除しようとするのです。
クールな犯罪映画だったらこんなシーンもスマートに魅せちゃうと思うんですが、ここはじっくり面白く撮っています。
窓ガラスをあっさり割っちゃわないところがとてもイイ!
なかなか成功しないのでベーコンの鬱憤も溜まっていきます。ブツブツ独り言を言いながら、近所の犬に吠えられて焦りまくるベーコン。
結局三度目の挑戦でやっと開くんですけど、ここのドキドキ&いらいら感は本当にサイコーだし、とにかくもうケヴィン・ベーコンが可愛すぎます。胸がときめきましたよ。ちょっとしつこいところが良かったです。

CopCar6

そうして他人の車を盗んで一旦家に戻るベーコン。帰宅すると入手したヤクを始末したりヤクでラリったりと大忙し。パトカーに無線で呼びかけるが応答はない…。

一方その頃、少年たちはパトカーを放置して、銃で遊ぶのに夢中。しかし、しばらくしてトランクの中の物音に気づき、ついには開けてしまいます。中には血まみれで縛られたオッサン(シェー・ウィガム)が入ってました。二人で会議した結果、「良い人そう」ということで彼を救ってあげるのですが…。

CopCar9

もちろん男は極悪人。
自由にした途端に銃を奪われ少年たちは人質にされてしまいます。パトカーの後部座席に監禁され、男の復讐にうまく利用されてしまうのです。

まずは無線でベーコンをおびき寄せることに…。
少年からの応答にベーコンは大喜び。ここも超かわいい。
萌えなんて言葉は大嫌いですが、完全にベーコン萌え映画。

CopCar7

本作で最も意外性のある人物はこのオバサンでした。
少年たちは陽気に車をブッ飛ばして、彼女とすれ違います。
幼い子供が危険運転をしていたということ、そして自分を危険に晒した…ということに想像以上にブチ切れており、警察に通報しただけじゃ彼女はイライラが治まりません。
しかも警察には頭がオカシイ人扱いされてしまい…結局は子供たちに説教しに現場へ向かったために頭をふっ飛ばされて死んじゃうんですね!
彼女自身から巻き込まれていって死んだ感じなので、不謹慎ですが面白かったです。

CopCar12

その後、衝撃的な銃撃戦の末に大人たちは三人とも倒れてしまいます。

後部座席に監禁された少年二人は脱出するために銃で窓を割ろうとするのですが、銃の撃ち方がわからない。何度も試すが銃を撃てず、しょうがなく銃身を叩きつけて窓を割ることに…。そうしている間に銃の安全装置が外れます。
このやりとりを見てて思ったのは「この狭い空間で銃撃ったら跳弾が恐いな…」ってことだったんですが、見事にそういう展開に!
放った銃弾で窓は割れたものの、跳ね返ってきた銃弾でトラヴィスが腹に重傷を負ってしまいます。窓が開いた瞬間にハリソンは外へ駆けだすが、トラヴィスの呼び止める声がして…。

ここのシーンすごく良かったですよ!!
撮り方も良いし、ハリソンの表情も良い。「防弾チョッキを着てれば良かったのに」というセリフもすごく良い。っていうかただ好きなだけなんですが、心にきました。序盤の無邪気な銃遊びがここに影響してきたりします。

CopCar8

ラストはハリソンが親友・トラヴィスを助けるためにコップ・カーで激走!
銃で撃たれたけどやっぱり死んでなかったベーコンもむっくり起き上がり、シェー・ウィガムの車に乗って追いかけてきます。さすがベーコン。
それから繰り広げられるのは、暗くて地味なカーチェイス。
ベーコンの最後のセリフは、「おれのコップ・カーだぞ!」。
車返せよ!ってところは最初から一貫しており、追いかけまくる展開は『激突!』っぽくもありました。

ハリソンは中盤に「お前遅いよ」とトラヴィスにバカにされたりしていたのですが、最後には目標速度に到達し、少年から男になるのです。それにこれが自分を罵った親友のためなので本当に泣けてくる。タイトルクレジットのカラーリングがパトカーランプの色だったことには、ラストになって気がついた感じです。ここでの余韻も良かった!

そしてベーコンは無惨にも事故ってしまい、少年たちは逃げ切るのでしたー。

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監督は『クラウン』を撮ったジョン・ワッツ。なので今回もホラー演出が強烈なのかと思ったんですが、恐怖よりも笑いのほうを強く感じました。
決してコメディではないのですが、主役の保安官は笑わずにはいられない滑稽さ。やはりこれは演じているのがベーコンだからでしょうか。狂気で突っ走っても良さそうな内容なのに、鬱陶しい状況に対面するたびに「もう勘弁してくれよー」な表情に見えてくる主人公。なんとなく「コップ・カー 第一話」って感じで物語の序章のみを88分に収めたような感じもしました。
足りないと言えば足りないのですが…でも、そこがイイ!

結局ベーコンはラストでデカい牛に衝突して足止めを食いますが、あれで死んだとも思えない。何か今後も話が続きそうなワクワク感も残しつつ、少年の小さな成長を描いて終わっていった印象です。

もし主演がケヴィン・ベーコンじゃなかったらB級映画というジャンルに括られちゃう作品かも知れません。少年たちの家庭状況や警察の指令室の描写なんかも盛り込んで120分程度の尺にすれば、所謂「人間ドラマ」の重みも増したんでしょうけど…そんなの要らないよ!ってことで個人的には最高の映画!

CopCar11
将来有望そうな若手俳優たちでしたよ。

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