惹句は「少女の歌声が世界を救う?!」
ビル・マーレイの米軍慰問ツアーinアフガニスタン。
<あらすじ>
落ちぶれた音楽芸能マネージャーのリッチー(ビル・マーレイ)は、公演先のアフガニスタンで荷物を失ってしまう。仕方なく用心棒のボンベイ(ブルース・ウィリス)と行動を共にすることになった彼は、たどり着いた先で天性の歌声を持つ少女に出会う。リッチーは、彼女を現地のオーディション番組に出演させることを思いつくが……。
(以上シネマトゥデイより)
ビル・マーレイ大好き!ということで、感想書いときます。
もうビル・マーレイが出てればそれだけで楽しかったりするんですけど、今回は舞台がアフガニスタン、そしてロック映画!なので、正直好みじゃないかもなーと思ってたら…やっぱりあんまりノレませんでしたー。
全体的に派手派手しさはほとんどなかったですね。
そしてコメディの部分がだいぶシュールな気がしました。
面白いシーンもあったけど、あんまり笑えず…。
ビル・マーレイの演技に対しての苦言はとくにありません!
少女を有名オーディション番組「アメリカン・アイドル」のアフガニスタン版「アフガン・スター」に出場させるべく奔走するおじいさん(B・M)の話です。
同名のドキュメンタリー映画があるのでそっちも観ておくとわかりやすそう。
オープニングは少女が洞窟でテレビ番組「アフガン・スター」を見ているシーン。
まあ、ただテレビを見ているだけなんですが「私も歌いたい」って想いがしっかり伝わってきていきなりうるっときそうでしたよ(夢を追いかける若者に弱いのです)。衣裳(赤いブルカ)を見れば分かるんですが、イスラム教徒の女性ですよね。女性への弾圧が激しいアフガニスタンで女性が歌うってことは、つまりイスラム原理主義の人間に殺される危険もあるわけです。
なんとなく『オフサイド・ガールズ』なんかも思い出しましたー。
主人公たちがアフガニスタンを訪れた目的は音楽でのツアー公演のためだったのですが、歌手が初日から逃げ出してしまいます。
積んだはずの荷物は無くなるし、到着すると現地は厳戒態勢で最悪。
そして空港から出ると数ブロック先でいきなり爆発!
「よくあることだから何も問題ない」っていう兵士の対応も最低。
さすがにビビるし嫌になって逃げ出す気持ちもわかりますよ。
この同行する歌手がズーイー・デシャネル(『(500)日のサマー』)なんですね。
売れない歌手のやさぐれ感は出てたと思います。可愛さは控えめ。
彼女は現地に着いた夜に消えてしまいます。しかも現金やパスポートも持ち逃げされてしまいビル・マーレイは途方に暮れることに…。
その後、酒場で知り合った二人組とズーイーを探しに行くことになります。
19時以降は市街地に出るなと散々注意を受けるのですが、しょうがなく外出。
こいつらのキャスティングは最高(ダニー・マクブライド&スコット・カーン)。
このあたりの三人組で行動している最中が一番コメディっぽかったです。
とにかく全員胡散臭い。
外に出ると、常に誰かが死にそうな緊迫感もあり、空気作りは巧いなあと思いました。野良犬が追いかけてくるのとかすごく良いですよ。
主人公はパスポートを再発行することと引き換えに、この二人からヤバそうな仕事(銃弾の取り引き)を請け負うことになります。
ボンベイ(ブルース・ウィリス)は同じホテルに宿泊しておりズーイーを国から逃がしてあげるのですが、その分の報酬をビル・マーレイにたかってきます。
しかし、その縁から(?)取り引き現場へ行く際の護衛&ガイドを彼に頼むことになるのです。
今回のブルース・ウィリスは終始セリフも少なめで、寡黙で渋いオッサンでした。
かっこよかったんですけど、派手な見せ場があまりないし、観終った後ちょっと食い足りないような気分になってしまいました。
一応アクションシーンはありましたけど(銃を撃ったり)。
それから主人公は取り引きに向かい、訪れた村で少女と出会います。
村人たちから歓迎を受け、宴の終わった真夜中にビルがふらふらと歩いていると、かすかに歌声が聞こえてきます。音のほうへ向かって歩いていくと洞窟の中で少女がギターを弾きながら歌っていたのです。
ビルが洞窟に入っていくと、気づいた彼女は逃げてしまい、置いてある雑誌を手に取ると「アフガン・スター」の文字。
歌声を聴いた時に主人公の目標は「彼女をコンテストで優勝させること」に決まったようです。これは運命に導かれたってことらしい。
少女は村にこのことがバレれば殺されてしまうかも知れません。
ところが翌日、村人たちに昨夜の出来事をアッサリ言ってしまうビル。
「不名誉だ、恥だ、侮辱だ」と、村長(少女の父親)は当然ブチ切れ!
この辺りの噛み合わなさが笑いどころなのかどうかわかりづらい気がしました。ビル・マーレイの胡散臭そうなキャラクターからか発言の真意も読み取りにくく、あまり説明もないのでイスラム教に馴染みのない日本人にはちょっとキツいし、全体的にコメディ部分が曖昧に思えました。
映画自体は嫌いじゃないんですが、ここはダメ。
肝心の音楽シーンがね、盛り上がりに欠けます!
問題の少女がついに歌うのですが、ちょっとショボすぎ!
心揺さぶられませんでしたよ!
戒律を破って命を懸けて歌うわけですから、もうちょっと力入れてほしかった。
歌は上手いですよ、でも、演出なのかな…全然気持ちアガらないんですよね、撮り方もテレビみたいだし(まあ、設定上テレビ番組なんですけど)。
口パクとかはどうでもいいですが、そこに行きつくまでの道筋が…。
あと、これをテレビで見た国民たちのリアクションも微妙でしたー。
舞台に出る直前の「踊るな、動くな、さもなきゃ殺されるぞ」という親切な忠告は普通に怖かった。女性の踊りは死に値する異国の恐怖ですね。狂ってます。
ということで、文句ばかりになってしまいました。
すごく地味な映画なんですよねー。爆発も銃撃戦もあるんですが。
女性の人権という重めの題材だったため変にバカなこともできなかったんでしょうか。コメディとアクションを求めて見ちゃうとガッカリする気がします。
やっぱり盛り上がりどころでちゃんと盛り上がれなかった印象。
大筋のストーリーはけっこう好きな感じだったですよ。
「自由」を求める若者の映画ってけっこうあると思うんですが、宗教が絡むと構図が単純化してわかりやすくなる気もしました。
小難しさは避けてエンタメにしようという意気込みは感じたのですが…残念!
ケイト・ハドソンの娼婦はちゃんとエロかったと思う!
ビル・マーレイの米軍慰問ツアーinアフガニスタン。
個人的評価:★★★★★☆☆☆☆☆
2016年07月20日公開/106分/アメリカ/映倫:指定なし
原題:ROCK THE KASBAH
監督:バリー・レヴィンソン
出演:ビル・マーレイ/ブルース・ウィリス/ケイト・ハドソン
原題:ROCK THE KASBAH
監督:バリー・レヴィンソン
出演:ビル・マーレイ/ブルース・ウィリス/ケイト・ハドソン
<あらすじ>
落ちぶれた音楽芸能マネージャーのリッチー(ビル・マーレイ)は、公演先のアフガニスタンで荷物を失ってしまう。仕方なく用心棒のボンベイ(ブルース・ウィリス)と行動を共にすることになった彼は、たどり着いた先で天性の歌声を持つ少女に出会う。リッチーは、彼女を現地のオーディション番組に出演させることを思いつくが……。
(以上シネマトゥデイより)
ビル・マーレイ大好き!ということで、感想書いときます。
もうビル・マーレイが出てればそれだけで楽しかったりするんですけど、今回は舞台がアフガニスタン、そしてロック映画!なので、正直好みじゃないかもなーと思ってたら…やっぱりあんまりノレませんでしたー。
全体的に派手派手しさはほとんどなかったですね。
そしてコメディの部分がだいぶシュールな気がしました。
面白いシーンもあったけど、あんまり笑えず…。
ビル・マーレイの演技に対しての苦言はとくにありません!
少女を有名オーディション番組「アメリカン・アイドル」のアフガニスタン版「アフガン・スター」に出場させるべく奔走するおじいさん(B・M)の話です。
同名のドキュメンタリー映画があるのでそっちも観ておくとわかりやすそう。
オープニングは少女が洞窟でテレビ番組「アフガン・スター」を見ているシーン。
まあ、ただテレビを見ているだけなんですが「私も歌いたい」って想いがしっかり伝わってきていきなりうるっときそうでしたよ(夢を追いかける若者に弱いのです)。衣裳(赤いブルカ)を見れば分かるんですが、イスラム教徒の女性ですよね。女性への弾圧が激しいアフガニスタンで女性が歌うってことは、つまりイスラム原理主義の人間に殺される危険もあるわけです。
なんとなく『オフサイド・ガールズ』なんかも思い出しましたー。
主人公たちがアフガニスタンを訪れた目的は音楽でのツアー公演のためだったのですが、歌手が初日から逃げ出してしまいます。
積んだはずの荷物は無くなるし、到着すると現地は厳戒態勢で最悪。
そして空港から出ると数ブロック先でいきなり爆発!
「よくあることだから何も問題ない」っていう兵士の対応も最低。
さすがにビビるし嫌になって逃げ出す気持ちもわかりますよ。
この同行する歌手がズーイー・デシャネル(『(500)日のサマー』)なんですね。
売れない歌手のやさぐれ感は出てたと思います。可愛さは控えめ。
彼女は現地に着いた夜に消えてしまいます。しかも現金やパスポートも持ち逃げされてしまいビル・マーレイは途方に暮れることに…。
その後、酒場で知り合った二人組とズーイーを探しに行くことになります。
19時以降は市街地に出るなと散々注意を受けるのですが、しょうがなく外出。
こいつらのキャスティングは最高(ダニー・マクブライド&スコット・カーン)。
このあたりの三人組で行動している最中が一番コメディっぽかったです。
とにかく全員胡散臭い。
外に出ると、常に誰かが死にそうな緊迫感もあり、空気作りは巧いなあと思いました。野良犬が追いかけてくるのとかすごく良いですよ。
主人公はパスポートを再発行することと引き換えに、この二人からヤバそうな仕事(銃弾の取り引き)を請け負うことになります。
ボンベイ(ブルース・ウィリス)は同じホテルに宿泊しておりズーイーを国から逃がしてあげるのですが、その分の報酬をビル・マーレイにたかってきます。
しかし、その縁から(?)取り引き現場へ行く際の護衛&ガイドを彼に頼むことになるのです。
今回のブルース・ウィリスは終始セリフも少なめで、寡黙で渋いオッサンでした。
かっこよかったんですけど、派手な見せ場があまりないし、観終った後ちょっと食い足りないような気分になってしまいました。
一応アクションシーンはありましたけど(銃を撃ったり)。
それから主人公は取り引きに向かい、訪れた村で少女と出会います。
村人たちから歓迎を受け、宴の終わった真夜中にビルがふらふらと歩いていると、かすかに歌声が聞こえてきます。音のほうへ向かって歩いていくと洞窟の中で少女がギターを弾きながら歌っていたのです。
ビルが洞窟に入っていくと、気づいた彼女は逃げてしまい、置いてある雑誌を手に取ると「アフガン・スター」の文字。
歌声を聴いた時に主人公の目標は「彼女をコンテストで優勝させること」に決まったようです。これは運命に導かれたってことらしい。
少女は村にこのことがバレれば殺されてしまうかも知れません。
ところが翌日、村人たちに昨夜の出来事をアッサリ言ってしまうビル。
「不名誉だ、恥だ、侮辱だ」と、村長(少女の父親)は当然ブチ切れ!
この辺りの噛み合わなさが笑いどころなのかどうかわかりづらい気がしました。ビル・マーレイの胡散臭そうなキャラクターからか発言の真意も読み取りにくく、あまり説明もないのでイスラム教に馴染みのない日本人にはちょっとキツいし、全体的にコメディ部分が曖昧に思えました。
映画自体は嫌いじゃないんですが、ここはダメ。
肝心の音楽シーンがね、盛り上がりに欠けます!
問題の少女がついに歌うのですが、ちょっとショボすぎ!
心揺さぶられませんでしたよ!
戒律を破って命を懸けて歌うわけですから、もうちょっと力入れてほしかった。
歌は上手いですよ、でも、演出なのかな…全然気持ちアガらないんですよね、撮り方もテレビみたいだし(まあ、設定上テレビ番組なんですけど)。
口パクとかはどうでもいいですが、そこに行きつくまでの道筋が…。
あと、これをテレビで見た国民たちのリアクションも微妙でしたー。
舞台に出る直前の「踊るな、動くな、さもなきゃ殺されるぞ」という親切な忠告は普通に怖かった。女性の踊りは死に値する異国の恐怖ですね。狂ってます。
ケイト・ハドソンとの一夜を終えたビル・マーレイの無惨な姿。
ということで、文句ばかりになってしまいました。
すごく地味な映画なんですよねー。爆発も銃撃戦もあるんですが。
女性の人権という重めの題材だったため変にバカなこともできなかったんでしょうか。コメディとアクションを求めて見ちゃうとガッカリする気がします。
やっぱり盛り上がりどころでちゃんと盛り上がれなかった印象。
大筋のストーリーはけっこう好きな感じだったですよ。
「自由」を求める若者の映画ってけっこうあると思うんですが、宗教が絡むと構図が単純化してわかりやすくなる気もしました。
小難しさは避けてエンタメにしようという意気込みは感じたのですが…残念!
ケイト・ハドソンの娼婦はちゃんとエロかったと思う!
まるでブルース・ウィリスのアクション映画みたいな日本版ポスター